新・ことば事情
4421「人の子」
『不思議なキリスト教』(橋爪大三郎×大澤真幸、講談社現代新書:2011、5、18)という本を読んでいたら、
「聖書に出てくる『人の子』というのは『メシア(救世主)』のことである」
と書かれていました。ああ、「三位一体」「父と子と聖霊」という、あれですね。そう思って読み進もうとして「あ!」と思いました。というのは、合唱をしている人なら誰しも一度は歌ったことがある曲のひとつ、
『大地讃頌』
という曲の中の一節を思い出したのです。その歌詞は、
「母なる大地の懐に 我ら人の子の喜びはある」
「人の子ら 人の子その立つ土に感謝せよ」
「我ら人の子の 我ら人の子の 大地を誉めよ」
というふうに、繰り返し、
「人の子」
が出てくるのです。これまで特に意識せずに、「大地」という「自然」に対する「人間の子」という意味だと思ってこの曲を歌ってきました。
しかし、もしかしたら単なる「人間の子=私たち」ではなく、
「キリスト教的な『人の子=メシア(救世主)=キリスト』
を指しているのではないでしょうか?ニュアンスは明らかに「キリスト教的」な匂いがするのですけど。
今度、詳しい人に聞いてみます。