新・ことば事情
4404「團伊玖磨」
若手アナウンサーに「漢字」の訓練をしています。この前、『よく見るのに読めない漢字』という本に載っている難読人名で、
「團伊玖磨」
が出てきました。もちろん、私は読めます。知っています。作曲家であり『パイプのけむり』シリーズのエッセイでも有名な人です。昔、大学生の頃読みました。みなさんもご存じですよね?しかし、彼は・・・
「ええっ!?・・・なんて読むんだろ・・・・・・セン・・・」
「『セン』ってなんだよ。それは『團』の囲いの中の漢字『専』を読んだんだろ、これは旧字体だよ。新字体だと、中は『寸』だ」
「『寸』・・・ということは・・・『ダン(団)』?」
「そう!『ダン』。あとは?」
「ええ・・・・・???」
「『伊』は読めるだろ?」
「・・・『イ』?」
「そう、『イ』。そのあとは?」
「・・・・」
「『つくり』の方を、そのまま読めばいいんだよ』
「つくり・・・?・・・『ク』?」
「そう!ほら、もう読めたじゃない。最後は『磨く』の音読みだ」
ほとんど答えを教えてしまっているような感じです。
「・・・・『マ』?」
なぜここで「?」が付くのかが私には分かりませんが、なんとか全部の漢字、読めました。
「そう!じゃあ、通して読むと?」
「ダンイ・クマ」
「アホか!『ダンイ・クマ』って、『レオナルド熊』じゃないんだから!名字は『ダン』で名前が『イクマ』だよ!切るとこ、間違っちゃダメじゃないか!」
かくも、漢字の道は険しく、『パイプのけむり』のように長い・・・。