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『道浦TIME』

新・読書日記 2011_131

『スピーチの奥義』(寺澤芳男、光文社新書:2011、5、20)

 

著者の寺澤さんは、元・野村證券副社長から国際金融機関の長官、そしてその後、日本新党の細川護煕氏から誘われて参院議員になり、経済企画庁長官も務めた人。その寺澤氏が、野村證券の米国法人の社長を務めていた時に、大学生時代の私は、グリークラブのアメリカ演奏旅行で、初めて海外・アメリカの地に向かった。ニューヨークで過ごした5日間、ニューヨーク稲門会(早稲田大学のOB会)会長でもあった寺澤さん(「テリー寺澤」と呼んでくれと当時言っていた。いまや「テリー」といえば「伊藤」だが、それより前に私にとっての「テリー」は「寺澤さん」だった)のお世話になって、ニューヨーク証券取引所でなぜか「吉野家の牛丼」を食べさせてもらったり、、ニューヨークのイタリア料理店に大人数で連れて行ってもらったり、ま、いろんなところを案内してもらった。(あんまり覚えてないけど。)そしてイタリア料理の後だったかに、

「ラーメン食いたい奴、手ェ挙げろ!」

と学生を誘導してラーメン屋にも連れて行ってくれた。ご自宅の「マンション」(ワンフロアがすべて寺澤さん宅)にもお邪魔して、奥様手作りの「おにぎり」を食べさせてもらった。あのテリーである。(なんだか、メシの話しか覚えていないような・・・)

何かで読んで知ってはいたのだが、70歳を過ぎてから、あの奥様と「離婚」されたとか・・・。そのあたりの事情も本書には出てくるが、意表を突く続きの話は、全く知らなかった

あれから29年が経ったとは、とても思えないのだけれども。経ったんだなあ。

読んでメモした部分。「腹にストンと落ちる」という表現。

「また独立自尊という言葉の意味するところが腹にストンと落ちる感じで消化されるらしく、ぼくの言いたいことをすんなり受け入れてもらえるように思う。」(41ページ)

「最後に子どものころに読んだ本の話をし、聴衆にえっ、『それが何?』と思わせたところで一番伝えたいメッセージを伝えている。腹にストンと落ちる。」(69ページ)

また、テリーの同窓・同級である海部俊樹・元総理大臣のスピーチについては、

「声はクリアで聞き取りにくいことがないし、やさしい言葉で文章を組み立てているからどんな知識レベルの人の頭にもストンと入ってくる。」

と記してある。雄弁会だもんね。

 

 


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(2011、7、2読了)

2011年7月19日 03:27 | コメント (0)