新・読書日記 2011_128
『私はそうは思わない』佐野洋子、ちくま文庫:1996、2、25第1刷・2010、11、25第12刷)
タイトルが、もう既に媚びていない。「犬型」ではなく「ネコ型」であることを思わせる。
佐野洋子の文章の分かりにくさ、話が飛ぶ感覚は、山本夏彦に似ている。ダメの人。一度死んでるような、俗世間との距離感に共通点がある。
*「号泣したくても声も出ないのだ。」(「知らなかった」は『婦人公論』1998年10月22日号・11月7日号に掲載)声の出ない「号泣」ですかね、これ。
*「あんたドドメ色になっている」「ドドメ色って」「汚いウンコに泥を混ぜたみたいな色」(127ページ)
「ドドメ色」って普通の辞書には載っていないんじゃないかな?
(詳しくは「平成ことば事情」に書きました。)
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