新・ことば事情
4385「0(ゼロ)STEPS」
6月12日、「F1カナダ・グランプリ」の「生放送」を見ていた中2の息子が、こう言いました。
「0(ゼロ)は複数形なんやな」
何のことかと言うと、各F1マシンが「ピットイン」した回数を画面では英語でスーパー表示してあるのですが、それが、
「0 STOPS」
「1 STOP」
「2 STOPS」
というように書かれていたのです。つまり、
「0 STOPS」は「S」が付く複数形
「1 STOP」は 「S」が付かない単数形
ということです。あ、たしかに。「2」「3」は複数ですから「S」が付くし、「1」は単数ですから「S」は付かないのは当たり前ですが、「0」というのはこういう場合の扱いは、「単数形」なのか「複数形」なのか、考えたことがなかったけど、こうやって画面を見ていると、
「0(ゼロ)は複数形を使う」
ということなのでしょうか?もし、そうだとしたら、
「単数というのは『1』のみを表す」
ということなんですね。あ、「マイナス1」は「単数」なんだろうか?「負の単数」とかいうのかな?
久々に英語の?算数の?勉強をした気がしました。
答えをご存じの方、ぜひご教示ください。
(追記)
『数字とことばの不思議な話』(窪園晴夫、岩波ジュニア新書:2011、6、21)という本の新聞広告を見かけたので、早速購入。窪園先生は、お会いしたことはないが神戸大学の先生だし、お名前は存じ上げている。買った本を早速開くと、最初にしおりが入っていたページに、
「複数は2以上?」
というコラムが。あれ?もしかしてこれは・・・と思って読むと、ビンゴ!まさに「0は複数か?」という問題の答えが!
「複数は N>1かというと、それも正確とは言えません。ローレンスの研究によると、英語では0、2や0、5でも複数形で受けます。また面白いことに0、1のように小数点以下が1で終わっている場合でも複数形の -sが付きます。さらにはゼロの場合でも名詞を複数扱いするようです。
0,2liters. 0,5meters.
0,1liters. 0,1meters.
0 degrees Fahrenheit(華氏0度)」
ほう、そうだったんですか、やっぱり!
ついでに「マイナスの場合」も複数形が使われるそうです。
この本は「ジュニア向け」なので、息子にも読まそうかな。ジュニア向けとはいえ、大変興味深くおもしろい一冊です。(まだ、読んでる途中ですが。)
あ、窪園先生、去年(201年)の4月から、「人間文化研究機構・国立国語研究所」の教授になってらっしゃいました。神戸には、いないんだ。
(2011、7、3)