新・読書日記 2011_123
『死ぬ気まんまん』(佐野洋子、光文社:2011、6、18)
この「吹っ切れた感」は、ガンで「余命2年」と宣言されたからでなく、生まれ持ったものであろう。いや生まれながらではなく、7人兄弟でありながら、幼い時に兄や弟を亡くすという経験をしたこととによって培われた「死生観」によるものかもしれない。
もう少し長生きしてほしかった・・・。
ただ、僕が佐野洋子を読み始めたのは、彼女が死んでからだ。「死」がきっかけである。
冒頭の文章といい、「山本夏彦に似ている」と思った。変人、頑固、でも憎めないところに魅力があるのだと感じた。
ちなみに「死ぬ気まんまん」という言葉は、佐野の長男が、余命2年と宣言された母の様子を見て「『死ぬ気まんまん』なんですよねえ」と言ったのを受けてのものだそうだ。
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