新・読書日記 2011_108
『語感トレーニング~日本語のセンスをみがく55題』(中村明、岩波新書:2011、4、20)
昨年、著者は岩波から『日本語語感の辞典』という辞書を出した。おそらく、その編纂の過程で出てきた様々な疑問や問題点などで辞書には盛り込めなかったものを、この「新書」にまとめたのだろうと思ったら、「あとがき」を読むと、やっぱりそういうことだったみたい。クイズ形式にしたことで、読みやすくなった。55問もあるので、ちょっとへばり気味にはなりましたが、勉強になりました。大体、私の語感と著者の語感は一致していたが、これ、若い人にやらせたらなかなか難しいのではないか。また、外国人にはちんぷんかんぷんかもしれない。
それにしても日本語というのは、一つの言葉に様々な表現があって、その微妙なニュアンスの違いが、話し手と相手の関係性を表すだなあと、改めて感心する一冊。
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