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『道浦TIME』

新・ことば事情

4381「こんぐらがる」

 

佐野洋子さんの『私はそうは思わない』(ちくま文庫)を読んでいたら、

「こんぐらがったまま」

という表現が出てきました。

「こんぐらがる」

です。通常ですと、

「こんがらがる」

と言うところだと思うのですが。『精選版日本国語大辞典』を引くと、ありました!

☆「こんぐらかる」(「こんぐらがる」とも)→こんがらかる。*「煤煙」(1909)<森田草平>一九「而もその不幸の原因は判然意に上らない程漠然としてこんぐらかってゐるが」

とありました。用例はあるものの、ほとんど「空見出し」。「こんがらかる」を見よ、となっています。そこで「こんがらかる」を見ると、

☆「こんがらかる」(「こんがらがる」とも)もつれからまる。物事がいりみだれて、ややこしくなる。紛糾する。こぐらかる。こんぐらかる。*「門三味線」(1895)<斉藤緑雨>一三「ふだんから善いも悪いも染めしいとの綯(より)強く、こんがらかって出るがお前の癖ゆゑ」

でした。・・・こんぐらかってきました。

そして、Google検索でもYAHOO検索でも(6月13日)

「こんぐらがる」

で検索すると、

「こんがらかる」ではありませんか?

と聞いてくるのでした。これは使えねえなあ。

 

(2011、6、13)

2011年6月15日 21:39 | コメント (0)