新・ことば事情
4380「ベンショー2」
1年ほど前、平成ことば事情3960「ベンショー」で「ベンショー」から「ベベンジョカンジョ」について書きましたが、先日、『私家版差別語辞典』(上原善広、新潮選書:2011、5、25)という本を読んでいたらこんな記述に出会いました。
「異民族を集めた集落としての古い地名は、一説には別所」
あ!もしかして、この「別所」が「ベッチョ」に訛ったのではないか?そちらの方が「小便」→「ビンショー」よりも可能性があるのでは?と思いました。
この本ではほかにも、「韓国の被差別民・白丁(ペクチョン)」というのを紹介していました。この「ペクチョン」→「ビンショ」「ベベンジョカンジョ」という変化の可能性もないとは限りませんが。
単に音が似ているということと、いわゆる「穢れ」→「差別」ということしか共通点はないので、なんとも言えませんが、語源の可能性の一つとして目に留まったので、書き記しておきます。