新・ことば事情
4376「北里大学は濁るか濁らないか」
6月8日の「ミヤネ屋」の「ヨミ斬りタイムズ」のコーナーで取り上げた記事に、
「北里大学」
が出てきました。これを紹介したIアナウンサー(長野県出身)の読みを聞いていると、
「キタザト大学」
と「里」が濁って聞こえました。しかし、実はこの大学名、正しくは濁らずに、
「キタサト大学」
なのです。そこで、Iアナウンサーに、
「キタサトは濁らないんだよ」
とOA後に言ったら、
「ええ、知っています。事前に調べました。ちゃんと濁らないで言いました!」
と言うではないですか!しかし私の耳には濁って聞こえた・・・そういえば、同じく若手のYアナウンサー(神奈川県出身)も、時々そういう傾向が・・・私の耳が遠くなったからか、それとも二人の発音が悪いのか?
これで思い出したことがあります。
以前「茨城県庁」に電話して「イバラギ」か?「イバラキ」か?を聞いたときの事、受付の人は確かに、
「イバラギ県庁です」
と「濁って」電話に出たのですが、
「"茨城県"というのは、濁りますか?濁りませんか?」
と尋ねると、キッパリと、
「濁りません!」
と言いました。
「失礼ですが、先ほど、電話に出られたときは濁って聞こえたのですが・・・」
と言うと、
「そう聞こえたかもしれませんが、濁りません」
という答えでした。同じようなことは、岩手の「陸前高田市」でも。正式には、
「タカタ」
と濁らないのだけど、地元の人の会話を聞くと濁って聞こえる・・・。
つまり母音の音が、そういう音なのですね。
「地元の人はそれでいいけど、アナウンサーはきっちりと区別して発音する必要があるよ」とIアナウンサーには伝えました。地方の方言なのか、それとも若い人のアクセントが変わってきているのか、どちらかはわかりません。