新・読書日記 2011_105
『原発大崩壊!~第2のフクシマは日本中にある』(武田邦彦、ベスト新書:2011、5、24第1刷・2011、6、5第3刷)
武田先生の本、以前読んだときは「ちょっとマユツバ」的に思っていたが、震災・原発事故以来、とても信頼が置けるように思える。
武田先生は「安全な原発を推進する」という立場、すなわち「安全でない原発は推進しない」というスタンスを一貫して取っている。そして「そもそも、日本のように地震の多い国に建てられた原発は、安全ではない」ことを前提に、「万が一、事故が起こった場合に、周辺住民がどうやって避難するか」をまず考えるべきだという主張は、大いにうなずける。そして我が国の原発は「万が一の場合、どうやって"原子炉"を守るか」を第一に考えてきて、周辺住民のことは考えていなかったという指摘も鋭い。「安全神話」を盾に、対策を講じなかったのだ。「飛行機はめったに落ちない安全な乗り物。でも万が一の場合、落ちることもある。だから、もしもに備えて、酸素マスクや救命胴着の説明をする」のが「当然」だとすれば、「原発」も同様の備えをするべきだという主張、ごもっともです。
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