新・読書日記 2011_103
『うまく話せなくても生きていく方法~「口ベタ」は悪くない』(梶原しげる、PHP新書:2011、5、6第1刷)
結構、難しいところをターゲットにした「話し方の本」だなあ、と感じた。
と言うのも、世の中に数多くいるであろう「口ベタの人」をターゲットにしたのはいいけれど、その解決策として「うまく話せなくてもいいんだよ」と「そのまま」を認める姿勢を打ち出したことで、「話し方の本」ではなくなってしまっている。カウンセリングの本。でも、時々「ちょっと勇気を出して、話すきっかけを作ってみたら」という"誘い水"を向けている感じだ。
「そのままでいい」と肯定すると、言われた本人は安心するかもしれないが、世の中はそれほど受け入れてくれないという現実がある。その中で、自分の気持ちだけ「そのままでいいんだよ」と心の安定を得ても結局、外の世界とのズレた感じを強く覚えてしまうのではないか?うーん、誰にでも均等に効くレシピはないのだよなあ、きっと。難しい。
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