新・読書日記 2011_091
『歌謡曲』(高護、岩波新書:2011、2、19)
シンプルなタイトル。「岩波新書から」というのもちょっと意外。
しかし、1995年にいたるまでの「歌謡曲」の大きな流れを、具体的な曲と歌手、プロダクションなどの流れを記しながら示している。中には、その曲のどういった節回し、歌詞が大きな歌謡曲の流れの中でどう特異であり、特徴的であるかなどを実証してみせている。こちらもつい、口ずさんでしまうほど「知ってる、知ってる!」という曲ばかり。うーん、懐かしい。こうやって見ると、やはり偉大な作詞家・作曲家たちがいた時代だったんだなあと、「昭和」を振り返ってしまう。
本書が「1995年」で終わっているのは、紙幅が尽きたためか、それとも「1995年」で「歌謡曲」の歴史が終わってしまったのか?たぶん前者だとは思うが、たしかに最近は「歌謡曲」という分類をあまり耳にしなくなったなあとは思う。ぜひ、続編を望む。
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