新・ことば事情
4365「めっちゃ・むっちゃ・ばり」
甲南大学での「マスコミ言語研究」で、「若者語」について講義をした後、JR摂津本山駅まで歩きながら「若者の強調語」について考えていました。すでに定着している、
「め(っ)ちゃ・む(っ)ちゃ・ばり」
について考えていたのです。
「『ばり』は、濁音が力強いし中国地方の方言ということで、関西の若者にとっては耳あたりいい言葉なので、強調語として取り入れられたのだろう。『バリバリ』という強いメージの擬態語の連想も働く。これに対して『めっちゃ』『むっちゃ』は、なぜ定着し、今もそのまま『強調語』の王座に君臨しているのか?」
ということについてです。で、ふと思いつきました。発音面についてです。
「『ま行』と『ば行』は、ともに唇がくっつく。力を入れてしゃべるときは、ます唇を閉じて力を込めて爆発的に開く。音はその結果。『めっちゃ』も『むっちゃ』も『ま行』で始まり、『ばり』は『ば行』で始まる。やはり『強調する』という姿勢が、発音の仕方にも表れているので、表現しやすいのではないか?」
いかがでしょうか?