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『道浦TIME』

新・ことば事情

4362「すごいショックで」

 

 

よく耳にする言葉で、

「すごいショックで」

というものがあります。この「すごい」は、「形容詞の連体形」ですので、「名詞」を形容します。ですからこの「ショックで」が「名詞+助詞の『で』」なら「すごい」でOKです。

しかしもし、この「ショックで」が「ショックだ」という「形容動詞」なら「すごい」は使えません。「形容動詞」を修飾する場合には「連用形」でなくてはならない。つまり、

「すごく」

という形でないといけないのです。

これは判断がむずかしい!(どっちでもいいような気もしますが・・・。)

似たような例を挙げてみましょう。

(1)「すごい"バカ"」だった。

(2)「すごい」"バカだっ"た。

(1)は名詞の「バカ」を形容しているので「連体形」でOK。(2)は形容動詞の「バカだ」を形容しているので「連用形」になるはずなので間違い。正しくは「すごくバカだった」となるはずです。

発音のアクセント(1)の「すごい」は「す/ご\い」と「中高アクセント」。これは強調しやすいアクセントです。これに対して(2)の「すごく」は、本来は「頭高アクセント」で「す\ごく」だと思いますが、最近は「関西アクセントの浸透」と、「すごい」のアクセントパターンに引きずられて、「す/ご\く」というパターンが多いのではないでしょうか?

こんなことが「すごく気になる」のです。アナウンサーですから・・・。

 

(2011、5、17)

2011年5月22日 14:16 | コメント (0)