新・読書日記 2011_085
『切手百撰 昭和戦後』(内藤陽介、平凡社:2011、4、25)
「"昭和の(元)切手少年たち"には懐かしの、平成生まれの若者には昭和レトロがカッコいい、そんな切手100点のモノ語りをオールカラーで紹介する切手図鑑」
と紹介されている、カラー写真での切手がコンパクトに満載された一冊。少年の頃、切手を集めていた男の子=現在おじさん達には、たまらない一冊。
しかも、「現在のその切手の価値」を☆印で表示。これは今の切手カタログでの評価ですが、それが載っているので、ちょうど子供の頃にカタログを見てワクワクした気分も味わえる。しかし、額面10円の切手、10倍になっても100円だからなあ。今となっては利殖とは程遠いよなあ。でも切手趣味週間の「見返り美人」とか「月に雁」、国際文通週間の「蒲原」などは、今も数千円から1万円以上という高値だそうだ。今はそれほど高くはなくてもやはり切手趣味週間の浮世絵なんか、きれいだよな。上村松園の「序の舞」は、切手で覚えました。ここ数年、この年になって「日本画」の良さも少しわかるようになってきて、先日も上村松園展で初めて実物の「序の舞」を目にして、その絵の大きさに圧倒され、着物の裾模様の艶やかさ、見事さにうっとりしましたが、切手の図案で知らなかったら、こんな憧れの気持ち=特別感も持たなかったんだろうなと思うと、「文化教育機関としての切手」という視点も、国には必要ではないかと思いますね。漫画の切手もいいけれども。
この本、内藤さんから送っていただきました。いつもありがとうございます。
それにしてもいつもすごいペースで本を出されてますね。
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