新・読書日記 2011_083
『クレー』(大岡信・解説、新潮美術文庫50:1976、5、25第1刷・2007、5、15第18刷)
京都で開かれていた「クレー展」。5月15日までなのだが、4月の段階から「(観に)行きたい!」と思っていて、結局ギリギリになってやっと行けた。
そこで、これまであまり気にしていなかったクレーの生きた時代背景に付いて興味がわいて、ミュージアムショップで買った一冊。
スイスで生まれたクレーだが、ユダヤ人ということでナチス支配下のドイツから逃れ、スイス・ベルンでその生涯を閉じたのが、1940年だったのだ。まだ、ナチスの支配は終わっていなかった。
実際の展覧会は、ちょっと面白い展示の仕方であった。大きな油絵はあまりなく、水彩とかデッサンとか。中には、中国の「トンパ文字」に似た絵もあった。
展覧会に展示されていたものより、この本に載っている絵の方が、私にはなじみがある。
「パウル・クレー」という画家を知ったのは大学のとき、男声合唱で谷川俊太郎の詩による『クレーの絵本』という合唱曲を演奏してからだ。曲は難しかったが、クレーの絵は好きになった。谷川俊太郎の詩も。
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