新・読書日記 2011_076
『日本人の叡智』(磯田道史、新潮新書:2011、4、20)
著者は1970年生まれと若い。しかし、古くは慶長年間・西暦1600年の古文書から平成の現代の書に至るまで読み込んで、その中に出てくる珠玉の言葉の数々を、「知らせずにはいられない」という思いでまとめた一冊と言えよう。帯には、
「先達の言葉は海のごとく広く深い~心に刻むべき98人の思索」
とある。
いくつかご紹介したい。
「一己を安くせむとて、数千の人を損ずるは不仁の甚だしきなり」(徳川吉通)
「学問を致すに、知ると合点との異なる処(ところ)、ござ候」(横井小楠)
「衛生は猶(な)ほ火の用心を為(な)すが如く」(栗本鋤雲)
「ローマの滅びたるは中堅なくして貧富の懸隔甚しかりしが故なり。露帝国も然り」(秋山好古)
詳しくは、本書を読んでください。
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