新・読書日記 2011_073
『朽ちていった命~被曝治療83日間の記録』(NHK「東海村臨界事故」取材班、新潮文庫:2006、10、1第1刷・2011、4、15第9刷)
「瞬きもしないで読んだ」
と言っても、あながち大げさではない。息を呑みながら読んでしまう、そういったドキュメント。
1999年9月30日、茨城県東海村で起きた臨界事故で被曝した大内久さん・35歳が、被曝から亡くなるまでの83日間を記録したNHKドキュメンタリーを文章化したもの。
今回の福島第一原発で、地元の人たちや作業に当たっている人たちが「今」置かれている状態とは少し違うかもしれないが、放射能が人間のコントロールを離れ、御し切れなくなったときにどういったことが起きるのか、放射線の大量被曝により、ヒトの体にどういう影響が出るのかを、冷静に見つめた「記録」。読んだら、息を飲み、瞬きもできない状況になる理由がわかると思う。こんなことを、二度と繰り返してはいけない・・のだが。
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