新・読書日記 2011_069
『はたしてイチローは本当に「一流」なのか』(江尻良文、双葉新書:2011、4、24)
タイトルが刺激的。野球選手としてのイチローは、紛れもなく「一流」であり、疑問の余地をはさむところはないと思う。では「ほんとうに"一流"なのか?」と疑問を挟む部分は、一体どこなのか?そのあたりに興味があって読みました。
著者は「夕刊フジ」の記者。それまでにもスポーツ新聞の記者として40年近いキャリアがある。
かつての国民的ヒーロー「長嶋」「王」と比べて、イチローがその域に達するかどうか?という視点でもって「一流」かどうかを述べようとしているように思える。その意味ではタイトルは、
『はたしてイチローは本当に「"超"一流」なのか』
の方が、実体には近いと思うのだが。
アンチ・イチローサイドからの一冊ではあるが、完全に「アンチ」というのではなく「イチロー」の素晴しさをわかっているからこそ「さらに大きな存在になってほしい」という気持ちも込められているように感じた。
star3_half