新・ことば事情
4344「史上最大のハゲ幅」
先日、東日本大震災の影響で、株式市場が、
「史上最大の下げ幅を記録した」
と速報ニュースで伝えていました。その際に伝え手が、こう言い間違えました。
「史上最大の、は・・・下げ幅」
この「は」の後に何と言おうとしたのかを、「予測」して「再現」しますと、当然、
「史上最大のハゲ幅」
だと思います。もちろん「そう言おうと思った」のではなく、「そう言い間違う寸前だった」ということですが。
違いは「さ」と「は」の1字だけです。
なぜこんな言い間違いが起こりそうになったのか?
それは、「下げ幅」という言葉で、「下げ」の後には「幅」が続く。気持ちが急いでいたのでしょう、その「幅の"は"」が、先に出てきてしまって、「下げの"さ"」と入れ替わってしまったと推測できます。
サ行とハ行は、比較的入れ代わりやすい。そのことは「それなら」が「ほんなら」「それじゃあ」が「ほいじゃあ」などの例でもわかります。"ほ"ういったことも影響しているのかもしれませんね。