新・読書日記 2011_038
『キュレーションの時代~「つながり」の情報革命が始まる』(佐々木俊尚、ちくま新書:2011、2、10)
このところ精力的にメディアと情報革命に関する本を上梓している著者。この新書も分厚いです。300ページを超えるもの。いつものように、「ここは大事!」というページの耳を折っていったら・・・もう本が膨れ上がってしまいました。
「キュレーション」というのは、なじみのない言葉だけれども、美術館・博物館の「学芸員」のことを「キュレーター」と呼ぶのは聞いたことがあります。まさにその「キュレーター」が行うような行為、いいもの・役に立つものを見極めて、そのモノや情報の「新しい価値の意味づけをする」ということが、「キュレーション」。これからはそういった行為に「価値」が出てくるのだと。(つまり「お金が動く」「商売になる」と。)単に情報を伝えるのではなく、その情報がどういう意味合いを持っているか、どう並べると価値が相乗効果で上がるのか、そういったことを示唆することが「キュレーション」なのだ。情報が溢れかえっている時代だからこそ、重要な情報をきっちりと目利きして提示できる、そういった仕事が必要なんだよと。そんなことが書いてあったように思います。
それにしても著者の佐々木さん、趣味の幅も広いですねえ・・・。
(追記)
「現代用語の基礎知識2011年版」を見ていたら、巻頭のエッセイで、既に佐々木さんが「キュレーション」について書いていました!
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