新・ことば事情
4333「第三極か?第3極か?」
漢数字か?洋数字か?
これはいつも迷う、揺れている表記ではあります。
ただ、原則としては、
「そこの数字が、ほかの数字に置き換えられるものであれば、洋数字」
「『一郎、二郎』のように『1』や『2』に置き換えられない(×1郎、2郎)固有名詞としての意味を持つ場合は、漢数字」
としています。それでも判断が難しい場合もあります。
2010年5月21日の新聞紙面を見ていたら、
(毎日新聞)第三極
(読売新聞)第3極
と、漢数字と洋数字で分かれていました。5月24日の新聞も
(日経新聞)第三極
となっていました。「第1極」「第2極」があるからこその「第3極」ですから、数字の置き換えは可能なのですが、それを前提として、「1でも2でもない」意味合いとしての「3」だとすると、
「第三局」
自体が「一つの言葉」として意味を持つので、「漢数字」でいいようにも感じます。
憲法の条文の一つである
「憲法第九条」
ですが、その内容が憲法の一番大事な精神「戦争の放棄」を表すのだという人たちにとっては、ここは漢数字で「第九条」でなくてはならないでしょうし、103ある憲法の条文の一つであると考える人たちにとっては洋数字で「第9条」であると。表記一つにも「考え方=思想」が入り込んでくるので、本当に難しいのです。