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『道浦TIME』

新・ことば事情

4326「C調の語源」

225日の読売新聞のコラム「編集手帳」に、

C調は『調子いい』を上下ひっくり返したジャズマンの業界言葉」

と書かれていました。

ええ!そうだったの!?私はてっきり、「C調」は「ハ長調」で、

「明るい音階」

なのだとばっかり思っていました。たしかに、「調子=チョーシ」をひっくり返すと「シーチョー」=「C調」ですね。「倒語」プラス「ハ長調」の「C」も引っ掛けているのかもしれません。

この「C調」、クレージーキャッツの植木等さんの歌で一般的になったのだと思っていましたが、植木さんもジャズマンですしね。

私が「C調」をきっちり意識したのは、サザンオールスターズの『C調言葉にご用心』という曲でした。1979だと思います。もう30年以上前の私の高校時代ですが。

こういった言葉はやはり、米川明彦先生の『日本俗語大辞典』でしょう。引いて見ましょう。

「シーちょう(C調)」=(「調子」の倒語)

あら。いきなりちゃんと書いてあったわ・・・・。

「軽薄な調子のいいさま。またその人。バンドマンの用語から。」

なるほど。また『現代用語の基礎知識1987年版』からも引いていて、

「ちょうしのいい。『調子』のさかさまことばから。本来はジャズのバンドマンの俗語で、ハ調(C)などというのにひっかけている。一般的には『プレイボーイ流の』『ミーハー的で俗っぽい』などの意味も込めて用いる」

とありました。また同じく米川先生の『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』では、

1962年の流行語」

として「C調」が紹介されていますが、その「発生源」は、植木等主演の映画『ニッポン無責任時代』前年(1961年)の『スーダラ節』だと紹介されていました。

(2011、3、7)

2011年3月12日 12:13 | コメント (0)