新・読書日記 2011_031
『妻と最期の十日間』(桃井和馬、集英社新書:2010、12、22第1刷・2011、1、19日 第2刷)
著者は1962年生まれの写真家・ジャーナリスト。いま話題の「戦場カメラマン」でもある。
「もしかして、女優の桃井かおりさんと姉弟?」
と思ったが、全然違うみたい。
著者の妻が41歳でくも膜下出血で倒れ、意識を取り戻すことなく「十日間」で逝ってしまった。「たった十日」がどれだけ長い時間であったか。本書を読めばよくわかる。
残された夫=著者はあまりにも無力であった。「男って弱いな」、そう感じざるを得ない。そして、ほぼ同世代であるだけに、「もし、自分がその立場であったなら・・・」と想像せざるを得ない。同じく一緒に残された小学6年の娘。妻が「灰」になった後の帰りのタクシーの中で、口を開く。
「おとうさん」
「なに?」
「あしたからはしっかり働くんだよ!」
やはり、「女は、強い」のである。弱き者、汝の名は、男・・・。
それにしても「集英社新書」も10周年で、こんなノンフィクションも出すようになったのですね。
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