新・ことば事情
4324「三歩下がって・・・」
昔ばなしです。
その昔、水前寺清子さんの『三百六十五歩のマーチ』という曲がありました。
その歌を知っているか?と番組内で尋ねたら、
「知ってますよぉ、『三歩下がって、二歩下がる』でしょ」
と答えた女性アナウンサーがいました。みんな、ズルっとずっこけました。「五歩」、下がっとるやないか!
もちろん正しくは、
「三歩進んで、二歩下がる」
ですが、なぜ彼女がそんなアホな間違いをしたのか?という理由が、20年ぶりぐらいにひらめきました!これは、おそらく、
「三歩下がって、師の影踏まず」
との混同だったのではないでしょうか?つまり、「師の影踏まず」の代わりに「二歩下がる」と言ってしまった、あるいは「三歩進んで」の代わりに「三歩下がって」と言ってしまったか。結果は同じですが。
アホに見える「言い間違い」にも、何かしら理由があるものなんじゃないかなあと。
その彼女は10年前、「UFJ(ユニバーサルスタジオ・ジャパン)開園」の際のヘリコプター生中継で、
「こちらはJR大阪駅から数十分・・ではなくて十数分、USJジャパンです!」
と言ったのと同じ人です。
「USJジャパン」って・・・じゃあ「USJ」の最後の「J」は何?「ユニバーサルスタジオ・ジャパンジャパーン!」になってしまいます。郷ひろみじゃないんだから。GOGO!ヘリコプターの操縦士も思わずずっこけて、ヘリが落ちそうになった、とかいうことは、さすがにありませんでしたが・・・動揺したでしょうな。
あ、それと「三歩下がって、師の影踏まず」は、「さん・し」という韻を踏んでいるのかもしれないなと思いました。