新・読書日記 2011_029
『天皇さんの涙~葭の髄から・完』(阿川弘之、文藝春秋:2011、1、10)
上等な和菓子のような味わい。
月刊の『文藝春秋』の巻頭のエッセイ、著者90歳を前に、執筆をやめたのが去年秋。エッセイのタイトルは「葭(よし)の髄から」。「井の中のかはず」のように、「葭」の髄(茎)から世の中を覗くように、狭い視野に過ぎないが・・・というような「謙遜」の気持ちが。でも、「だからこそ見える『真理』も」という自負も感じられるタイトル。
『文藝春秋』は毎月読んでいるわけではないので、著者が執筆をやめたのを、ついこの間間で知らなかった。『週刊文春』で、娘の阿川佐和子さんの対談に登場して、執筆をやめた理由などについて話をしていたのを読んで初めて知って、それからこの本が出たので読んだ。
ちなみに私の父も、図書館で借りてきて1日で読んだそうな。新刊なのに、最近の図書館はもう仕入れてくれるんですね。そして、その「新刊」を呼んだのは「2番目」ということですから、人気もあるんだなあ。
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