新・ことば事情
4310「覆面調査」
2月17日の夕刊各紙に、携帯電話の「フィルタリング」に関しての記事が載っていました。子どもが使うケータイでは、変なサイトにアクセスできないようなフィルタリングをすることや、その告知が義務付けられているのに、きっちりと説明をしなかったりする販売店もかなりあることが「覆面調査」によって分かった、という記事です。
それを読んでいて、
「覆面調査・・・・」
と、ぼんやりと妄想の世界に入ってしまいました。
「『覆面調査』って、覆面をした調査員がケータイ販売店に入っていって調べている・・・と思っている人が、もしかしたらいるのでは?」
と。(そんなアホな。)
「覆面をした人」が店に入ってきたら、店の人はまず、
「強盗か!?」
と思うし、警察に通報されます。目立って仕方がありません。
「『覆面調査員』は、覆面をしていない」
のです。「覆面をした覆面調査員はすでに覆面調査員ではない」という、ややこしいことになります。(ならないか。)
同じように、
「覆面パトカー」
も覆面をしていませんし、乗っているおまわりさんも覆面はしていません。していたらそれはきっとニセモノです。悪いヤツに違いありません。捕まえちゃってください。
この「覆面」は本物の「覆面=マスク」ではなく、
「素性を隠している」
という意味ですね。その「比喩表現」であります。
あ、でも、今年に入って各地に出没し、皇太子殿下がご自分の誕生日でも言及された、
「タイガーマスク」
なら、万が一覆面を被っていても「いい人」ですから、通報しないようにお願いします。