新・ことば事情
4311「『理屈付け』の無声化」
先日の「ミヤネ屋」の「ヨミ斬りタイムズ」のコーナーで紹介した新聞記事に、
「理屈付け」
という言葉が出てきました。これを読んだYアナウンサーの下読みを聞いていたら、なんだかおかしいのです。「理屈付け」ではなく、
「陸続き」
に聞こえるのです。私の耳がおかしいのかな?とも思ったのですが、横にいたIディレクターも、
「それ、なんだかおかしいよ」
とYアナウンサーに言っています。やっぱり発音がおかしいんだ!
何が一体、おかしいのか?
よーく考えて見ると、どうやら「理屈」の読み方が違うようなのです。つまり、
「『リクツ』の『ク』は、『母音が無声化』する」
のですが、Yアナウンサーは、
「この『ク』を『有声音』で読んでいる」
ので、「陸続き」のように聞こえてしまうのです。
「無声化」「鼻濁音」「アクセント」
これがしっかりできて初めて、アナウンサーはOAで原稿を読んだりしゃべったりすることが許されるのです。それが「基本中の基本」です。入社して数年も経つと、もう誰も「基本」の練習なんてやってくれません、自分でやるしかないのです。
そのように、少し厳しく諭しました。
Y君がちゃんと「理屈付け」できるようになるか、今後も見守りたいと思います。