新・ことば事情
4287「アディショナルタイム」
1月20日、日本テレビから「用語の統一」の連絡が来ました。
それによると、「サッカー競技で試合に追加される時間」を、
「アディショナルタイム(Additional Time)」
で統一することになったとのこと。これまでは多くの場合、
「ロスタイム」
と呼ばれてきたのですが、FIFA(=国際サッカー連盟)ではワールドカップなども含めて、
「Additional Time○分/アディショナルタイム○分」
という形で表示されるようになり、日本サッカー協会も同じ呼称を用いているので、サッカー競技の試合の際に追加される時間の名称を放送上、
「Additional Time(アディショナルタイム)」
とし、表記・読み方を統一することになったのだそうです。NNN系列の読売テレビとしてもこれに従うことになります。
他社の状況はどうか?先日開かれた新聞用語懇談会放送分科会でも議題に上りました。それによると、
(テレビ朝日)アジアカップでは「ロスタイム」。アジアカップの実況アナに聞いたら「今はそれしか考えていないし議論も出ていない。『アディショナルタイム』と発音する『時間』がないのと、視聴者に伝わらないと思うので時期尚早では?」と。
(MBS)現時点では「ロスタイム」。ラグビーでは以前「インジュアリータイム」などとも言っていたが、今は「ロスタイム」。高校ラグビーの花園ラグビー場での場内アナウンスも「ロスタイム」。ただ、ラグビーは時計を止めるようになったので、「ロスタイム」というものがなくなった。
(TBS)「アディショナルタイム」に移行するタイミングを考えているところ。
(テレビ東京)海外中継の現地スーパーで「アディショナルタイム」と。スポーツニュースは「ロスタイム」と使い分け。
(WOWOW)リーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)の中継は「ロスタイム」。まだ「アディショナルタイム」は浸透していないが「今後の流れはそちらになるのでは?」と実況の柄沢アナウンサー。社としての動きは、今のところなし。
(フジテレビ)実況の青嶋アナウンサーは「『ロスタイム』でやっている。認識はしているが『アディショナルタイム』に移行する考えはない。サッカー協会などから話があれば考える。」
(NHK)「ロスタイム」と言ったあとに「アディショナルタイム」と言い添えている。
(ABC)「スカパー」のJリーグ中継は「アディショナルタイム」で統一してくれと言ってきたので、それにそろえている。
とのことでした。