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『道浦TIME』

新・読書日記 2011_030

『電子マネー革命~キャッシュレス社会の現実と希望』(伊藤亜紀、講談社現代新書:2010、11、20)

 

サブタイトルが、「キャッシュレス社会の現実と希望」。確かにここ10年で、驚くほどキャッシュレス社会が進んだ。それも「クレジットカード」と「プリペイドカード」から、ICチップを仕組んだカードでタッチしてお金が引かれるというタイプへ、それとやはり、インターネット・ショッピング。「お金」が目に見えなくなってきた。

私などは27年前に入社した時に、既に「給料」は「銀行振り込み」であったので、その点には違和感はないが、実は「イコカ」「スイカ」系統のものには、いまだにちょっと不信感を持っている。ネット・ショッピングもあまりしない。便利なのはわかるが、ちょっと怖い。ネット・バンキングなどとんでもない!と思っていたが、先日、妻が「日曜の夜」にネット・バンキングで振込みをしてくれた。手数料はタダ。しかも銀行が開いていない時間でも利用できる(実際のお金が振り込まれるのは後日=月曜になるが)。要は、振込みの作業をいつでも好きな時間に好きな場所でできるというのは、やはり大きなメリットである。なんで銀行って、午後3時までしか開いてないんだろうか?不親切である。

本書は「新書」という形式にしては親しみやすく、架空の夫婦が「ポイント」を貯める生活を、面白い小説のように展開して具体例を示し、その後に論理的にそれを説明していく形のもの。非常にとっつきやすい。書いた人(著者)は当然男だと思い込んでいたら、著者の名前をよく見ると、女性ではないか!ふーん。

本の帯に書かれた「迫り来る『現金絶滅の日』!?」は、いつになるのだろうか?

EUの共通通貨「ユーロ」をにらみながら、グローバルにで「通貨」というものを考えるよいきっかけになる一冊でした。


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(2011、2、21読了)

2011年2月28日 23:11 | コメント (1)

新・読書日記 2011_029

『天皇さんの涙~葭の髄から・完』(阿川弘之、文藝春秋:2011、1、10)

上等な和菓子のような味わい。

 

月刊の『文藝春秋』の巻頭のエッセイ、著者90歳を前に、執筆をやめたのが去年秋。エッセイのタイトルは「葭(よし)の髄から」。「井の中のかはず」のように、「葭」の髄(茎)から世の中を覗くように、狭い視野に過ぎないが・・・というような「謙遜」の気持ちが。でも、「だからこそ見える『真理』も」という自負も感じられるタイトル。

『文藝春秋』は毎月読んでいるわけではないので、著者が執筆をやめたのを、ついこの間間で知らなかった。『週刊文春』で、娘の阿川佐和子さんの対談に登場して、執筆をやめた理由などについて話をしていたのを読んで初めて知って、それからこの本が出たので読んだ。

ちなみに私の父も、図書館で借りてきて1日で読んだそうな。新刊なのに、最近の図書館はもう仕入れてくれるんですね。そして、その「新刊」を呼んだのは「2番目」ということですから、人気もあるんだなあ。


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(2011、2、23)

2011年2月28日 23:00 | コメント (0)

新・読書日記 2011_028

『バカ田大学入学試験問題(馬科)』講談社:2011、1、10)

アイデアがいいですヨねえ。大学入試問題集の「赤本」の体裁をとった、実質「なぞなぞ本」です。

「バカ田大学」といえばもちろん、ご存じ「バカボンのパパ」の母校。「都の西北、ワセダの隣」で始まる「校歌」も有名です。

前半、クイズ・・・じゃなかった「入試問題」を紹介する前に、「大学紹介」があり、その有名な(?)「校歌」の歌詞や「キャンパス案内」、OBのコメントなども載っています。遊び心、満載です。


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(2011、2、17読了)

2011年2月28日 22:21 | コメント (0)

新・読書日記 2011_027

『なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか』(若宮健、祥伝社新書:2010、12、10第1刷・2011、1、5第3刷)

韓国にパチンコがあること自体、知らなかった。日本のパチンコ台が輸出され、釘を抜いて真ん中のスロット表示がクルクル廻る、メダルで遊ぶゲームに変わってはいるそうだが。そして、2000年代に入ってそれが社会問題になって、全廃されたことも全く知らなかった。その昔、パチンコをしたことはあるが、決してのめりこまないようにしていた。本気でやり出すと、のめりこんでしまうことがわかっていたからだ。それと、当時はタバコの煙がモウモウでそれに耐えられなかったこと、音がうるさすぎることなども、パチンコ通いをしなくなった理由だ。そのうち、1000円や2000円ぐらいでは遊べなくなって、全く足が向かなくなった。しかしそれ以降、逆に足が向き出した人もいるだろう。

最近テレビでパチンコ台のCMが目立つ。「台」を宣伝してどうなるのか?と思うのは素人で、やはり「台の魅力」が、パチンコ店に客を惹きつけるのだろう。(本書でも述べられているように民放テレビ局はそのCMで稼がせてもらっているので完全には否定できないのも確かに事実だが・・・。)

しかし子どもを車に残してパチンコを打ち続け、その間に子どもが死んでしまう事件が後を断たないことを考えると、「パチンコ」というギャンブルの持つ魅力・魔力は、個人の意志で断ち切ることができないほど強いものであるとも言える。やはり何らかの手を打つ必要はあるのではないだろうか

 


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(2011、2、12)

2011年2月28日 21:20 | コメント (0)

新・ことば事情

4317「正当性と正統性」

このところゴタゴタしている民主党。そのニュースを伝える中で、政治家の発言としてよく出てくる言葉に、

「政権のせいとう性」

というのがあります。この「せいとう」、漢字で書くと、

「正当」か?「正統」か?

実は、

「正統性」

が正解です。

×「政権の正当性」→○「政権の正統性」

『新聞用語集2007年版』266ページを見ると、

*「正当」=(正しく道理にかなう、不当の対語)例:主張の正当性、

正当な理由、正当防衛

*「正統」=(正しい系統、異端の対語)例:政権の正統性、正統派、

     正統を継ぐ

と記されています。もう6年前のメルマガになりますが、2005年5月27日の【ビミョーな言葉研究所】第 127には、このように記されていました。

 

「あなたの実力は「セイトウ」に評価されている、はどっちでしょ?」

 ●正当(⇔不当)

  正しいこと。道理にかなっていること。

  ▽例▽

   正当な理由はない・正当な利益を得る・自分を正当化する・正当防衛

 ●正統(⇔異端)

  正しい系統や血統。始祖の教えや学説などを忠実に受け継いでいること。

  ▽例▽

   正統派・源氏の正統・正統な後継者・朱子学の正統を守る・正統学派

ということです。

 

(2011、2、24)

2011年2月28日 12:18 | コメント (0)

新・読書日記 2011_026

『怒らない技術』(嶋津良智、フォレスト出版:2010、7、17第1版・2010、8、26第7刷)

ショッキング・ピンクの表紙が、既に"怒りが爆発"したような感じで恥ずかしく、ふだんは本屋さんの紙のブックカバーはつけないで本を読む私も、さすがにこれはカバーをつけて読んだ。

本書では、簡単に言うと、

「他人を変えることはできない。だからあなたが変わるべきなのだ」

というようなことが書かれていて、ふんふん、と読んでいたのだが、ちょっと待った!

「他人を変えることができない」

と言っているのに、この本を読んだ「(著者にとっての)他人(=怒りっぽい人)が変わるべきだ」、つまり「他人を変えよう」としているのは矛盾してないか?と思ったら腹が立ってきた!・・・また失敗です・・・。

でも、ちょっとは参考になるところもありました。素直に、素直に。


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(2011、2、10)

2011年2月27日 21:19 | コメント (0)

新・ことば事情

4316「咽頭と喉頭」

「ミヤネ屋」の「ヨミ斬りタイムズ」のコーナーの準備をしていた際、下読みをしていたMアナウンサーが、記事に出てきた

「喉頭がん」

を、

「イントウがん」

と読んでいたので、それは、

「コウトウがん」

だよと指摘すると、

「あ!・・・」

と驚いていました。下読みで気付いてよかった!

「咽喉」と書いて「いんこう」=「のど」

ですが、「咽」と「喉」で部位は違います。『広辞苑』によると、

 

*「咽頭」=上方は鼻腔に、前方は口腔に、下方は食道の上端に位置する漏斗(ろうと)状の部分。のど。

*「喉頭」=咽頭に続く軌道の一部。甲状・輪状・喉頭蓋・披裂などの諸軟骨におおわれ、内に声帯を入れる。

 

とのこと。同じような意味で、一緒に使われる(咽喉)文字は、ついつい間違ってしまう(取り違えてしまう)ことが、素人では起こるのですね。専門家(お医者さん)が「咽」と「喉」を間違えたら大変ですが・・・。

(2011、2、24)

2011年2月27日 18:17 | コメント (0)

新・ことば事情

4315「震動と振動」

2月22、現地時間の午後1時前(日本時間の午前9時前)にニュージーランドのクライストチャーチで起きたマグニチュード6,3の地震日本人の皆さんの安否が気遣われます。

このニュースの字幕スーパーで、

「震動」

というのが出てきました。これは、

「振動」

ではないか?と思いそうテロップを直したところ、チェック係の読売新聞OBのOさんから、

「これは『動』でいいのでは?」

と言われました。読売新聞社の『読売スタイルブック2008』222ページによると、

 

*「動」(=揺れ動く):音の振動数、(新幹線などの)振動公害、振動数を測定、振り子の振動

 

*「動」(=震え動く。主に地震など自然現象の場合):火山の震動、大地の震動、家鳴り震動

 

 となっていました。なるほど、「地震」の揺れは「震動」だったのですね。

(2011、2、24)

2011年2月27日 12:17 | コメント (0)

新・ことば事情

4314「未利用魚」

(ちょっと古いんですが・・・書きかけがいっぱい残っていて・・・)

20109月7日の日経新聞に、

「未利用魚の活用」

という言葉がありました。この、

「未利用魚」

というのは、あまり見慣れない言葉です。漁業業界では「当たり前の言葉」なのでしょうか?Google検索(223日)したら、

「未利用魚」=8万3200

おお、意外と使われておるな。Yahoo辞書」というサイトによると、あの新語アナリストの亀井肇さんが、去年(2010年)の221日に書いてらっしゃるではありませんか!

 

「未利用魚(みりようぎょ)」-ビジネス-

漁で捕れても市場で販売する規格としてはサイズが小さかったり、消費者にあまり知られていないために商品価値が低く市場に出回らない魚。日本の年間漁獲魚量のうち約30%が市場に出回らないで捨てられたり、一部の地域だけで食べられている。こうした一般的に利用されていない魚を有効活用しようという動きが、大手水産会社や食品メーカーに出てきている。マルハニチロホールディングスの場合は、捕った小魚などをすり身にし、魚肉ソーセージやつみれ、さつま揚げなどの練り製品に加工して販売を開始。ニチレイフーズは京都府舞鶴市の京都府漁業協同組合連合会と組んで、水揚げしたアカガレイなどを空揚げや煮付けに加工し、京都府内の学校給食向けに供給する。丸紅は、国内外の食品メーカーとアラスカ沖で捕れるアラスカガレイを使った商品開発を始めている。 

[ 新語探検 著者:亀井肇 / 提供:JapanKnowledge ]

 

ふーむ、やはり業界では使われている言葉のようですね。

しかし、これをみて私が思い浮かべたのは、『新明解国語辞典』の「うなぎ」の説明です。以前の山田忠雄さんの記述(第4版まで)断定的に、

「かば焼にして食べる」

と書かれていました。(今の第6版は「多く、かば焼きなどにして食べる」とずいぶんニュアンスが弱められましたが・・・)

それと同じで「未利用魚」も、魚にとっては迷惑な表現ですよねえ・・・。人間って、勝手だなあ。

(2011、2、23)

2011年2月26日 18:56 | コメント (1)

新・読書日記 2011_026

『怒らない技術』(嶋津良智、フォレスト出版:2010、7、17第1版・2010、8、26第7刷)

ショッキング・ピンクの表紙が、既に"怒りが爆発"したような感じで恥ずかしく、ふだんは本屋さんの紙のブックカバーはつけないで本を読む私も、さすがにこれはカバーをつけて読んだ。

本書では、簡単に言うと、

「他人を変えることはできない。だからあなたが変わるべきなのだ」

というようなことが書かれていて、ふんふん、と読んでいたのだが、ちょっと待った!

「他人を変えることができない」

と言っているのに、この本を読んだ「(著者にとっての)他人(=怒りっぽい人)が変わるべきだ」、つまり「他人を変えよう」としているのは矛盾してないか?と思ったら腹が立ってきた!・・・また失敗です・・・。

でも、ちょっとは参考になるところもありました。素直に、素直に。

 


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(2011、2、10)

2011年2月26日 18:16 | コメント (0)

新・ことば事情

4313「『傭兵』と『雇い兵』」

リビア情勢からも目が離せません。

そのリビアのニュースを伝える2月23日の新聞各紙を読んでいると、

「傭兵」

という文字が飛び込んできました。

「ようへい」

と読みます。外国人など、

「カネで雇った(雇われた)兵隊」

のことです。が、「傭」が常用漢字ではないので、漢字の上にルビが振ってあります。この「傭兵」という漢字(言葉)を使っているのは「朝日新聞」と「産経新聞」です。ただ「見出し」にはルビは振ってありません。最初にリードあるいは本文に出て来る「傭兵(ようへい)」にだけルビを振るのです。

これに対して、「読売・毎日・日経」には、「傭兵」は出てきません。代わりに出て来るのは、

「雇い兵」

という聞き慣れない言葉です。『精選版日本国語大辞典』『広辞苑』にも「雇い兵」は載っていません。しかし、各新聞社の「用語の手引き」の類を見ると、「読売・朝日・毎日・共同通信」では、

「傭兵→雇い兵」

と書き換えることになっています。もちろん「傭」が常用漢字ではないからです。各社「雇い兵」を使うことに決めているのです。

その意味では今回、朝日新聞はハンドブックとは違って「雇い兵」を使わずに、ルビを振って「傭兵」を使っています。私が持っている市販されている「用語の手引き」は2002年とちょっと古いので、その後変更があったのかもしれません。産経新聞の用語の手引きは私は残念ながら持っていないので、その辺はわかりません。

なお各社が加盟している「日本新聞協会・新聞用語懇談会編」『新聞用語集2007年版』でも、

「傭兵→雇い兵」

書き換えることになっています。強制力はありませんが。

(2011、2、23)

2011年2月26日 12:10 | コメント (0)

新・読書日記 2011_025

『あぁ、残念な話し方!~台なしにするひと言、株を上げるひと言』(梶原しげる、青春出版社:2011、1、15)

 

話し言葉について分かりやすくおもしろく、具体的な実例を示しつつ、軽快に読ませる本。つい先日、梶原さんご本人と飲む機会があった。いやあ、さすがでした。新人アナ時代に先輩に飲みに連れってもらったときに、会話のテンポの速さについて行けず、首を右、左に振って一言も発することができない間に朝になっていた(ちょっと大げさ)時のことを思い出したぐらいの、梶原さんのマシン・ガントークだった。ま、こちらも新人の時よりは訓練を積んでいますから、なんとか応戦しましたが、精一杯でした。すごいなあ、梶原さん。 嵐のようにしゃべって風のように帰られたが、また一度、じっくり話をしたいなあと思いました。

それにしてもその飲み会の席では、この本の話が出なかったな。そのあとで、本屋さんで見つけて、すかさず購入しました。

読みやすいですよ。梶原さんのこの書き方だと、小説が書けるんじゃないかなと思いました。清水義範さんみたいに、言葉をテーマにしたコミカルな小説、いかがでしょう?本書の中で『相手の"口撃"はこうかわす!』の項、わかっちゃいるけど、なかなかできないんですや、これが。でも、いっぺんやってみようかなと思いました。

「おわりに」に梶原さんも書かれているように、これだけ濃い内容の本がこれだけ素早く読めちゃう、これはやはり梶原さんの「話し言葉で書く」文体によるのでしょう。「濃い内容」というよりは「幅広い内容」、でしょうか。「広く浅く」、アナウンサーの基本です。

 


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(2011、2、14読了)

2011年2月25日 18:08 | コメント (0)

新・ことば事情

4312「『探す』と『捜す』」

ニュージーランドの地震、いまだ安否確認ができない方のご家族のみなさん、心配はいかばかりかとお察し申し上げます・・・。

 

さて、「さがす」という言葉についてです。スタッフから質問を受けました。

「探す」なのか?「捜す」なのか?

これは、わりと基準がはっきりしていると思います。

「さがす相手が具体的にわかっている場合」は「捜す」

これに対して、「将来の奥さんをさがす」のように、

「さがす相手が具体的にはわかっていない場合」は「探す」

だと思います。どこにいるかはわからないから「さがす」のですが、そうすると、

「家族をさがす」

の場合は、

×「家族を探す」→○「家族を捜す」

だと思います。

(2011、2、24)

2011年2月24日 21:15 | コメント (0)

新・ことば事情

4311「『理屈付け』の無声化」

 

先日の「ミヤネ屋」の「ヨミ斬りタイムズ」のコーナーで紹介した新聞記事に、

「理屈付け」

という言葉が出てきました。これを読んだYアナウンサーの下読みを聞いていたら、なんだかおかしいのです。「理屈付け」ではなく、

「陸続き」

に聞こえるのです。私の耳がおかしいのかな?とも思ったのですが、横にいたIディレクターも、

「それ、なんだかおかしいよ」

Yアナウンサーに言っています。やっぱり発音がおかしいんだ!

何が一体、おかしいのか?

よーく考えて見ると、どうやら「理屈」の読み方が違うようなのです。つまり、

「『リクツ』の『ク』は、『母音が無声化』する」

のですが、Yアナウンサーは、

「この『ク』を『有声音』で読んでいる」

ので、「陸続き」のように聞こえてしまうのです。

「無声化」「鼻濁音」「アクセント」

これがしっかりできて初めて、アナウンサーはOAで原稿を読んだりしゃべったりすることが許されるのです。それが「基本中の基本」です。入社して数年も経つと、もう誰も「基本」の練習なんてやってくれません、自分でやるしかないのです。

そのように、少し厳しく諭しました。

Y君がちゃんと「理屈付け」できるようになるか、今後も見守りたいと思います。

(2011、2、23)

2011年2月24日 18:53 | コメント (0)

新・ことば事情

4310「覆面調査」

2月17日の夕刊各紙に、携帯電話の「フィルタリング」に関しての記事が載っていました。子どもが使うケータイでは、変なサイトにアクセスできないようなフィルタリングをすることや、その告知が義務付けられているのに、きっちりと説明をしなかったりする販売店もかなりあることが「覆面調査」によって分かった、という記事です。

それを読んでいて、

「覆面調査・・・・」

と、ぼんやりと妄想の世界に入ってしまいました。

「『覆面調査』って、覆面をした調査員がケータイ販売店に入っていって調べている・・・と思っている人が、もしかしたらいるのでは?」

と。(そんなアホな。)

「覆面をした人」が店に入ってきたら、店の人はまず、

「強盗か!?」

と思うし、警察に通報されます。目立って仕方がありません。

「『覆面調査員』は、覆面をしていない」

のです。「覆面をした覆面調査員はすでに覆面調査員ではない」という、ややこしいことになります。(ならないか。)

同じように、

「覆面パトカー」

覆面をしていませんし、乗っているおまわりさんも覆面はしていません。していたらそれはきっとニセモノです。悪いヤツに違いありません。捕まえちゃってください。

この「覆面」は本物の「覆面=マスク」ではなく、

「素性を隠している」

という意味ですね。その「比喩表現」であります。

あ、でも、今年に入って各地に出没し、皇太子殿下がご自分の誕生日でも言及された、

「タイガーマスク」

なら、万が一覆面を被っていても「いい人」ですから、通報しないようにお願いします。

 

(2011、2、23)

2011年2月24日 10:55 | コメント (0)

新・ことば事情

4309「喪失受付センター」

 

先日、M銀行で通帳を作りました。

皆さん、なんといまや、窓口で通帳を係の人が直接作ってくれるのではないのですね。なんだかいかがわしい(ことはないのですが)雰囲気の、狭い狭い「個室」に連れて行かれて、なんとテレビ電話で係の人と向き合って話しながら(一応電話の受話器を使いますが、時々、それさえもなくても声を拾えるようなのです)、質問に答えてその誘導で、通帳を作るのです!必要書類も書いた後は、ファクスのようなもので電送しているみたいなんです。免許証も、キャッシュカードの入り口みたいなところに入れると読み取ってくれて、身分証明になります。

「テレビ電話の機械の裏側に、係がいるんではないか?」

と、ちょっと疑いますが、どうもそうではないみたい。行ったことはないけど、無人の消費者金融の機械って、こんな感じなんでしょうか?ちょっと信じられない気もしましたが一応信じて、だってそうしないと通帳が作れないのだから。しかも1円も預金することなく通帳は作れるのですね。というか、登録が終わった後に、ふつうのATM機のところで、「通帳作成」のボタンを押して、先ほどの暗証番号(通帳作成番号)をピポパッと押すとニュウーンって、通帳が出てきてしまうのです。うーん、21世紀だ!

さて、その狭い狭い個室。前面は機械が、左右は壁、後ろが出入り口。左右の壁には、所狭しと、いろんな貼り紙があり、テレビ電話のお姉さんが、

「右側の壁の上の方の貼り紙をお読み下さい」

「今度は、左側後方5番のポケットに入っている説明用紙をお取りください」

などと指示された、その指示通りに動くわけですな。そうすると、体をひねりすぎて(何しろ狭いですから)、

「イテテ、ちょ、ちょっとすみません、背中の腰のところの筋肉が、今ひねったときにちょっと肉離れみたいになったんですが・・・どうすればいいですか?」

「お気の毒です・・・」

というようなことになる一歩手前になるぐらい。宇宙飛行士が宇宙に行くときも、こんなに窮屈なんだろうか?と、ふと思ったぐらいのもので。

話がそれました。

その壁に貼ってあったいろいろな連絡先の一つに、こういったものがあるのに目が止まりました。

 

「喪失受付センター」

 

え、なにこれ?茫然自失で自分を喪失した時に電話するの?と一瞬でも思うことはありませんでしたが、一瞬「?」と思ったのは事実。すぐに、

「キャッシュカードや通帳をなくした場合の連絡先」

だとわかりましたが、「喪失連絡センター」、すごいネーミングですな。目的語が抜けているから、色んなものを喪失した時に連絡できそう。例えば「記憶」とか。あ、記憶を喪失していたら、連絡できないか。

ま、なんだかすごいことになっているなあという体験ができたのでした。

(2011、2、22)

2011年2月23日 20:11 | コメント (0)

新・ことば事情

4308「真グリーン」

 

『ミヤネ屋』の人気コーナー、「プロが教える実戦テクニック」(通称「プロテク」)に出てきた男の料理の先生が、良いアスパラガスを選ぶコツを教えていました。「色」がポイントのようです。その際にこの先生が、

「真グリーン」

という表現をしました!「真緑」は聞いたことがありますが「真グリーン」は初めて聞きました!似たような色の表現で言うと、

「真ピンク」

というのは(間接的に)聞いたことあったけど。(「平成ことば事情669まっピンク」をお読み下さい。)

「どピンク」「どグリーン」よりはマシですかねえ・・・トホホ。

Google検索では(2月22日)、

「真グリーン」=8040

ウ・・・意外と多い。でも、一語としての「真グリーン」ではなく、ほかの言葉とつながっているだけのものが多いようなので、検索ワードを加えました。

「真グリーン、真緑」=21

そうだろうな。しかも、

「もしかして"グリーン""緑」

で出てきたもん。"この中でも本当に「真グリーン」を使っているのは、個人のブログ200611月のもので、あるホテルの壁紙の色について、

「部屋の壁の色が、マックリーンで落ち着かなかった」

と言われて驚いた人が、

「マックリーン?それってどんな色?」

と聞き返したことがあると。その会話を聞いていたほかの人が、

「『マックリーン』て『真グリーン』ですよ!『真っ赤』とか『真黄色』とかの『真グリーン』ですよ」

と教えてくれたとか。やっぱり「真グリーン」を使う人は、いることはいるんだ、数は少ないけど。ちなみに、

「真緑」=106000

「真ピンク」=43100

「どグリーン」=2200

「どピンク」=151000

でした。「どグリーン」は、ほとんどが一語のつながりではないような感じでしたが。

(2011、2、22)

2011年2月23日 11:50 | コメント (0)

新・ことば事情

4307「さがんさん」

 

社内に訃報が回ってきました。

その喪主の方の名字を見て「!?」と思いました。漢字一文字で、

「目」

と書いて、読み方は、

「さがん」

なのだそうです。漢字は簡単だけど、読み方は超難しい!これは普通、読めないのではないでしょうか。フランス人のような名前です。悲しみよ今日は。

想像でしゃべると、「左目」のことを「さがん(左眼)」といいますから、そこからきたのでしょうか?それにしても珍しい名字ですね。

「名前占い」のサイトでは「目」という名字は全国で184と。読み方は、「さがん」以外にも、

「さつか」「さがみ」「さっか」「さかん」

などがあるようです。へえー。     

                      (2011、2、11)

 

 

(追記)

読者の本杉明さんという方からも書き込みを頂きました。それによると、

「『目(さがん)』は官位の一つで、古くは養老令に記載があります。姓としての『目』はこの官位名称が起源ではないかと思われますがいかがでしょうか。

なるほど、古い官位の一つなのですか。「養老令」って、いつでしたっけ・・・?あ、「養老律令」か。おお、藤原不比等、養老二年というから、西暦に直すと718年!そんな昔の官位が名字に!すごいですね!(まあ、「藤原」さんは、今もいますけど)

そのあと今度はNHKの原田邦博さんからもメールを頂きました。

『「目」を「さがん」と読むのは、多分、律令制度の

「四等官(しとうかん)」

に端を発すると思います。「四等官」は、上から

「かみ」「すけ」「じょう」

それに最下位は、

「さかん」

で、役所によって使用する文字がそれぞれ異なります。現在の「左官屋さん」の「左官」もその名残です。当時「国司」の「さかん」には「目」という字が使われましたので、その「さかん」が「さがん」となったのではないでしょうか。現在、人名の「すけ」にいろいろな漢字が当てられるのも、この「四等官」の「すけ」の文字から来ています。』

ありがとうございます。「四等官(しとうかん)」を、今度は調べましょう。(『精選版日本国語大辞典』)

 

「四等官」=令制の諸官司を構成する職員の等級。令制諸官司は、長官(かみ)・次官(すけ)・判官(じょう)・主典(さかん)の四つの等級の職員で構成されるのが原則であって、長官はその宮司を統括し、次官はこれを補佐し、判官は事務的な処理などのジツムにあたり、主典は文案の起草などの雑務にあたる。このほかに史生などの下級職員が付属する。各宮司によって四等官のそれぞれの相当する位階が定められており(官位相当)、あてられる時も異なり呼称も違うことがある。四分官。四部官。

 

原田さんのおっしゃるとおりですね。「四等官」の字もいろいろあるようです。

「かみ」は「土佐守」「肥後守」の「かみ」と同じ、「じょう」は「尉」という字も見たことがあるし、また「九郎判官義経」の「判官」の字をあてることもあるのですね。

「さかん」も引いておきましょう。

 

「さかん(主典)」=(「佐官」の字音)令制四等官の再開。上に長官(かみ)、次官(すけ)、判官(じょう)がある。文案を草し、公文書の抄録・読申をつかさどる。宮司によって自我異なる。そうかん。しゅてん」

 

ついでに「目」を「さかん」「さがん」と読むのかどうか、ここは『新潮日本語漢字辞典』の出番ですね。

「目」=モク・ボク : め・ま・さかん(さくわん)

おお、ちゃんと「さかん」が載っています!10番目の意味として、

 

「さかん。主典。律令制の四等官のうち第四位。属する官によって使用する字が変わるが国に属する場合「目」の字を使う。「大目(おおきさかん)」

 

そう言えば小学校(大阪・堺市)の時の同級生に、

「大目さん」

という女の子もいたな。読み方はそのまま「おおめ」さんだったけど。

さらに「人名」としての「目」の読みも、この辞典には載っています。

「さがみ・さかん・さがん・さっか・まなこ」

あ、これは最初の「名前占い」のサイトと同じだ。

それにしても、社内の訃報の回覧から「四等官」、藤原不比等まで遡ってしまいました。勉強になりました!辞書は、持ってるだけじゃダメだね、使わないと・・・。

 

 

2011年2月22日 20:56 | コメント (1)

新・ことば事情

4306「赤兎馬」

「赤兎馬」と書いて「せきとば」と読みます。「サケトバ」は関係なさそうです。

父から、

「囲碁関係の言葉だと思うんだけど・・・『広辞苑』にも載ってなくて。意味、調べて教えて」

と頼まれました。ケータイでネット検索したら・・・出てくるんですねえ。

 

「赤兎馬」=「一日千里走るといわれた伝説の汗血馬。呂布の愛馬として知られるが、後に曹操→関羽と受け継がれた。関羽の死後、水も飲まずに後を追ったという。的盧斑点の模様があり、不吉な馬とされた。劉備の愛馬で、荊周期危機際に三丈の檀渓を飛び越えてその命を助けた。蜀攻めの際、流れ矢にあたり死亡。」

 

ふーん、「汗血馬」、聞いたことがある。

 

「汗血馬」=(1)前漢の将・李広利が大宛を討って得た名馬。一日に千里を走り地のような汗を流したと伝える。(2)駿馬。

 

「ウィキペディア」だと、

 

「赤兎馬(せきとば)」=『三国志』および『三国志演義』に登場する馬。演義では西方との交易で得た汗血馬といわれている。「赤い毛色を持ち、兎のように素早い馬」の意とも。

 

『精選版日本国語大辞典』にも「赤兎馬」は載っていませんでしたが、「汗血の馬」は載っていました。

 

「かんけつの馬」=漢の武帝のとき、大宛国から獲得した駿馬。血の湯女汗を出し、一日に千里を走るという。かんけつば。

 

さて、父に聞かれた「赤兎馬」と「囲碁」との関係ですが・・・「赤兎馬」という名前の「碁会所」大阪市北区天神橋2丁目にありますね。そこのホームページには、こんな記述が。

「囲碁のはじまりは、四千年ぐらい前、中国と言われています。現存する最古の棋書は、「忘憂清楽集」で、その中に、呉の孫策と呂範が打ったとされる、囲碁の記録がありますし、『三国志演義』には、戦いで怪我をした関羽は麻酔がわりに、馬良と囲碁をしながら医者に毒矢の傷の手術をうけたという話もあります。

あ、4000年前に関羽が、囲碁をしたんだ。その関羽の馬が「赤兎馬」。そのあたりの関係かな。

あ、しかもその碁会所「赤兎馬」の席主を「藤田清」さんがされていたと!藤田さんといえば読売テレビの『ミニ碁一番勝負』という番組を立ち上げたプロデユーサーではないですか!大先輩です。もう亡くなられましたが・・・。

また「詰め将棋」にも「赤兎馬」(山崎 隆氏作)というのがあるようです。

そして、濱田酒造というところの芋焼酎にも「赤兎馬」という名前のものがあるようです。「『赤兎馬』とは、三国志に登場し"一日に千里走る"と言われた名馬の名前が由来となっております。」

と書かれていました。

「三国志」に端を発して、囲碁や将棋、芋焼酎にまで「赤兎馬」は広がっているようです。

(2011、2、14)

2011年2月21日 12:22 | コメント (3)

新・ことば事情

4305「四顧して」

 

『意地悪は死なず~夏彦・七平対談集』67ページに、

「四顧して」

という表現が2回出てきました。書き言葉というか文語というか、今はあまり使わない言葉です。辞書に載っているかな?・・・『広辞苑』に載っていましたよ。

「四顧」=(1)四辺をふりむいてみること。みまわすこと。(2)あたり。付近。

この場合は(1)の「見回すこと」ですね。でも聞かないなあ、完全に書き言葉、しかもも文語、死語。「四股」は踏んでも「四顧」はしませんね。

『明鏡国語辞典』には、しっかり<文>「文語マーク」がついて、

「四方を見回すこと。また、四方。付近」

とありました。

『新明解国語辞典』は、「老人語」とも「古風な表現」とも記述がなくただ1行、

「あたりを見回すこと」

とありました。『岩波国語辞典』には、

「あたりを見回すこと。また、あたり。▽既に古風」

この「既に古風」、いいですねえ。風格があります。『新潮現代国語辞典』にも、見出し語として載っていました。そかし『三省堂国語辞典』には、見出し語がありませんでしたよ、飯間さん。

古風で死にかかっている言葉かもしれないけど、ちょっと掘り起こしてみました、「四顧」。

(2011、2、14)

2011年2月20日 22:21 | コメント (0)

新・ことば事情

4304「賞状のアクセント」

去年9月のこと、元制作局の先輩から、「アクセント」について指摘を受けました。

「きのう、うちのアナウンサーが『賞状』のことを『中高アクセント』で『ショ/ージョ\ー』と読んでいたぞ。あれは正しくは『平板アクセント』で『ショ/ージョー』ではないのか?『中高』だと『症状』になってしまうのではないか?」

そう言われればそんな感じが。でも「中高」もあるような・・・。

「あとで調べて返事します」

と答えて、調べたところ、こんな結果が。

「昨日ご指摘の『賞状』のアクセントですが、やはり『2つ』ありました。

『NHK日本語発音アクセント辞典』『新明解日本語アクセント辞典』の2冊とも、

(1)ショ/ージョー

(2)ショ/ージョ\ー

と2番目に『ショ/ージョ\ー』を載せていました。

ただ、家で昨夜見た『新明解国語辞典』の『第2版』(だと思う。25年ぐらいに出た前のもの)だと、

『ショ/ージョー』

つまり(1)のアクセントしか掲げておらず、(2)のアクセントは載っていませんでした。

このことから(2)の方が、新しく出てきたものだと思われます。

なお『症状』も『ショ/ージョ\ー』の他に、平板アクセントの『ショ/ージョー』が載っていて、アクセント上ではきちんと区別できない状態になっています。

あと、『同音・同アクセント異義語』には、

『清浄』『猩猩』

などもありました。」

ということでした。やはりアクセントも知らない間に(?)変わってきているのですね。

常に注意していないとダメですね。

(2011、2、14)

2011年2月20日 12:21 | コメント (1)

新・ことば事情

4303「RADIO GA GA』

久々に「QUEEN」 のアルバムを聞いていました。いつも聞く曲は3~4曲で決まっているのだけど、この日は全部通して聞いていました。すると、歌詞カードを見ていて、

RADIO GA GA

という曲が目に留まりました。

「レディオ・ガガ」

・・・もしかして、

「レディ・ガガ」

と関係がある?レディ・ガガの名前はもしかしたら、この『レィディオ・ガガ』のもじり?

「関係あるのかな?」

と妻に聞くと、そもそも「レディ・ガガ」を知りませんでした・・・。

曲の内容を歌詞カードの訳詩で見ると、おお、これは、

RCサクセションの『トランジスタラジオ』」

ですよね、もろにこれは・・・こっちが先か。

ちなみにGAGA」の意味は、

「やかましい、うるさいだけの」

で同じく曲の歌詞の中にある

Radio goo gooは、

「くだらないラジオ」

の意味。そうするともしかして、

google

というのは、「くだらない」という意味を包含しているのでしょうか?発音もつづりも似ているように思いますが・・・。単に似ているだけ?洋楽ファンの方や英語に詳しい方でご存知の方教えてください。お願いします。

                      (2011、2、14)

 

 

(追記)

アメリカ在住のI先輩から、

「グーグルの名の由来については、グーグルのホームページに説明が載っています。」

とご教示いただきました。早速サイトを見ると、

Google の名前の由来 ・・・Google 10 100 乗を指す「googol(ゴーゴル)」という数学用語 から名付けられました。これは、米国の数学者エドワード カスナー(Edward Kasner)の甥であるミルトン シロッタ(Milton Sirotta)による造語で、カスナーとジェームズ ニューマン(James Newman)の共著である『Mathematics and the Imagination(数学と想像力)』で広く知られるようになりました。Google という名前は、ウェブ上で使用可能な膨大な量の情報を組織化するという Google 社の使命を反映しています。』

とありました。

「くだらない」という意味ではなかったのね。

ちゃんと調べればよかったです。I先輩ありがとうございました。

 

 

(追記2)

2011年6月21日、レディー・ガガが4度目の来日を果たしました。全身「緑色」のファッションで。

その様子を報じた翌22日の「スポーツニッポン」紙を読んでいたら、

「レディー・ガガの芸名は、クイーンの名曲『レディオ・ガガ』からとった」

と書いてあるではないですか!

ファンはみんな知ってたのかもしれないけど、私は全然知らなかった。

ビンゴ!ですね。

 

 

(2011、6、22) 

 

 

2011年2月19日 22:20 | コメント (1)

新・ことば事情

4302「○○難民」

先日開かれた新聞用語懇談会放送分科会の席で、委員から、

「『買い物難民』のような『○○難民』という表現を使っているか?」

という質問が出ました。各社の委員の回答は、

(NHK)「買い物に困っている高齢者」と表現。「難民」は使っていない。

(ABC)「給油所"難民"」のように"ダブル・クォーテーション"でくくることで「いわゆる」の意味を表して使った。(ラテ欄・サイドスーパー)

(日本テレビ)「買い物弱者」とした。うちは「ネットカフェ難民」という言葉を2007年に使い出した局ではあるが、「○○難民」は気を使う言葉ではある。使っちゃダメ、というわけではないが・・・。

(NHK)「ネットカフェ難民」は「ネットカフェ」に泊まっているのだから「買い物できない"買い物難民"」「給油できない"給油所難民"」などとは、言葉の使い方が違うのではないか?

というようなものでした。

この「難民」という表現、これまでも、

「ネットカフェ難民」(平成ことば事情3099)

「ポジション難民」(ことば事情3140)

「マネー難民」(ことば事情3320)

などで書いてきたほか、これまでに読んだ本の中にも、

『高層難民』(2007読書日記065)

『ネットカフェ難民』(2007読書日記215)

『北朝鮮難民』(2010読書日記1010)

などがあります。改めて「○○難民」について考えてみました。

たとえば、「ベトナム難民」「国名プラス難民」。「北朝鮮難民」「カンボジア難民」「ナミビア難民」などはこの類です。

一方、「ネットカフェ難民」は、「避難している場所プラス難民」。

「給油所難民」は、「入りたいが疎外されている場所プラス難民」。

「買い物難民」も、「行いたいが行えない行為プラス難民」。

「ポジション難民」は、「特定のポジションに定住できない選手」。

ひとくちに「難民」と言っても、「難民」の前の言葉が示す内容が違うのですね!

(2010、2、10)

2011年2月19日 12:20 | コメント (1)

新・ことば事情

4301「吹き抜く」

車の中でNHKのラジオを聴いていたら古い歌がかかっていました。和田弘とマヒナスターズと吉永小百合が歌う『寒い朝』という曲。ああ、時代を感じるなあと思いましたが、その歌詞の中の言葉に「うん?」と思いました。曲の冒頭の歌詞、

「北風吹き抜く」

です。「吹き抜く」って言葉あるのでしょうか?普通は、

「吹き抜ける」

では?と思ったのです。「吹き抜け」があるから「吹き抜く」もあるのかな?

『広辞苑』『明鏡国語辞典』『三省堂国語辞典』『新潮現代国語辞典』『岩波国語辞典』『デジタル大辞泉』『新明解国語辞典』には「吹き抜く」という見出し語は載っていませんでした。辛うじて『精選版日本国語大辞典』には見出し語で載っていました!

「ふきぬく」=(1)風が激しく吹きつけて、木や物を吹き倒す。

この用例は『平家物語』(13世紀前半)でした。そして2番目の意味としては、

(2)金貨に混じっている銀、銀貨に混じっている銅を抜き取って、貨幣を純化する。

としてこの用例は『政談』(1727年頃)でした。『寒い朝』の「北風吹き抜く」は(1)の意味ですね。

ここから考えるとやはり「吹き抜く」は「文語」で、「口語」ではないですね。道理でなじみがないはずだ。いわゆる「歌謡曲」「流行歌」こういった「文語」が混じることは、以前はよくあったと思われますが、最近はあまり耳に(目に)しない気がします。日本語でさえ目にしないんだから・・・。

ちなみに『寒い朝』は、1962年(昭和37年)の作品でした。

(2011、2、14)

2011年2月18日 19:19 | コメント (0)

新・ことば事情

4300「アホウとアスホール」

夜の10時過ぎ、大阪・京橋駅へ向かう道を歩いていると、後ろから韓国人か中国人のような話し方のホステスさん?と思しき、その方面の商売(つまり水商売)の女性の声が聞こえてきました。その人言葉は、

「アホウ」

というものでした。「中高アクセント」の、

「ア/ホ\ウ」

でした。短い「アホ」ではありません。語尾が伸びていました。それが、日本語はなく英語のある単語に聞こえました。それは、

ass hall=アスホール」

です。ともに「罵倒語」ですが、母音の響きが変わると日本語も英語に聞こえるな、とそういう話でした。

建国記念の日に、何を書いているんだろ。

(2011、2、11)

2011年2月18日 12:32 | コメント (1)

新・ことば事情

4299「賭博場開張図利」

 

大相撲の八百長問題で出てきた刑法上の言葉として

「賭博場開張図利罪」

というのがあります。昔はニュースでは、

「賭博開張図利」

と言って「場」は入らなかったのになあと思います。

ところで、実は「開張」の「ちょう」にあたる漢字が2種類あるのにお気づきでしょうか?

「朝日新聞」と『新聞用語集2007年版』には、

「賭博開図利」

とあるのですが、

「読売新聞」は、

「賭博開図利」

そして刑法の表記は、

「賭博図利」

今回、日テレはその表記を使っていましたので、それに倣いました。

え?どこが違うかって?

「帳→張」

が違います。これは気付きにくい。混在していてもたいていの人は気付かないと思います。

2003年に新聞協会新聞用語懇談会放送分科会が出した『放送で気になる言葉・改訂新版』では、「賭博」が表外字だったこともあって、平仮名の「とばく」を使って、

「とばく開図利」

と表記されていました。現在改定作業中で、この3月に8年ぶりに出る予定の『放送で気になる言葉2011』でも、その「張」を尊重して、『新聞用語集』の一般的表記とは異なる、刑法の表記の

「開

を使うことになりました。

 

(2011、2、11)

2011年2月17日 18:53 | コメント (0)

新・読書日記 2011_024

『「郵政」亡国論~1枚の切手から見える"日本沈没"のシナリオ』(池田健三郎、ワニブックスPLUS新書:2011、2、25)

「ミヤネ屋」にもご出演いただいている池田さんのご本。本屋で見つけて、すぐ購入。

経済評論家である一方、「切手」に関しても「プロ」である池田さん。他局の深夜のハイヒールがやっている番組に「切手の専門家」として出演されているのを見て親しみを感じた。全く別の場面で知り合った切手の専門家・内藤さんのことを「知っているかな?」と思って、次の「ミヤネ屋」の出演の際に聞いてみたところ「ああ、よく知ってますよ。道浦さんは何で知ってるんですか」というような話になって、「切手を通じて世界を見る」という方法について共感を覚えたのだった。

本書は「郵政民営化」を進めた小泉政権なきあと、「反・郵政民営化」の道をたどっていることのおろかさ、「プリペイド」である「切手」を濫発して発行することは、負債を先送りする、つまり「年金」などと同じく、無自覚に、未来の子どもたちへの「ツケ」にしているという実態を暴いている。「郵政」のうち、ユニバーサル・サービスである「郵便」は、「国家」「福祉」「人権」と密接に連関しているのだ、と。


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(2011、2、8読了)

2011年2月17日 12:44 | コメント (0)

新・読書日記 2011_023

『東大生の論理~「理性」をめぐる教室』(高橋昌一郎、ちくま新書:2010、12、10)

私にとって「論理学」は、大学で受けた授業の中でも1,2を争う理解不能の科目だった。大変興味を持って最初の講義に臨んだが、挫折するのは早かった。日ごろ他人からは「論理的」といわれる(というか「理屈っぽい」)私だが、「論理学的な論理」は、はっきりいって全く持ち合わせていない。どちらかと言うと「感性の人」だと思ってます。理屈っぽい感性の人・・・。

以上のことをご理解いただいたうえで、以降の文章を読んでいただきたい。

本書の最初の方は、「ああ、やっぱり『論理学』は向いてないや」と思わせるに十分な難しさがあったのだが、途中から「お、おもしろい!」という内容になってきた。

東大での講義を通して、著者は東大生の優秀さを目のあたりにするわけだが、そういった東大生を惹きつける講義をできる著者もすごい。

サンデル教授の教室も魅力的(で難解)だが、日本にもこんな授業があるんだなあと思いました。この著者のほかの本も読んでみようかなという気になりました。


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(2011、2、5読了)

2011年2月16日 18:43 | コメント (1)

新・読書日記 2011_022

『プロ野球最強のベストナイン~全時代の一流選手の真価を問う』(小野俊哉、PHP新書:2010、11、29第1刷・2011、2、3第5刷)

単に歴代ランキングで上から選ぶベストナインではなく、打者は「1番バッター」から「9番バッター」まで、「打力」を中心に順番に選んでいき、そのバッターの守備位置がふさがれていくというのは、ちょっとおもしろい知的好奇心をくすぐる頭脳ゲームです。

ピッチャーは、「1リーグ時代」は一くくりに、その後は10年ごとの区切りで、年代ごとのベストのピッチャーを先発と押さえで11人。

いやあー、え!あの選手が入らないの?という面もありますが、選ばれた選手どれも兵(ツワモノ)ぞろい。ある意味「ミステリー」を読むような感じで読み進めることができます。最後のページに、選手の名前と顔写真が載っていますから、決して後ろのページから読むようなことはないようにしてくださいね!

 


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(2011、2、7読了)

2011年2月16日 10:49 | コメント (0)

新・読書日記 2011_021

『英語の質問箱~そこが知りたい100のQA』(里中哲彦、中公新書:2010、12、20』

 

いやあ、大変ためになる、英語の質問が100!

すべて「見開き2ページ」で答えているので簡潔!特に2つ目の質問「l」と「r」の発音をどう区別するか?が私には「そうだったのか!」と「目からウロコ」でしたよ。

よく言われることかもしれないけど、「l」は発音の前に小さい「ヌ」を付ける。そして「r」は発音の前の小さな「ウ」を付ける。特に「r」は「ウ」を付けることで、完璧に「r」の音になりました!楽しい!!もう一回英語を勉強しようかなと思うぐらい、楽しい質問箱でした。


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(2011、2、4読了)

2011年2月15日 20:48 | コメント (0)

新・読書日記 2011_020

『40歳からの知的生産術』(谷岡一郎、ちくま新書:2011、1、10)

谷岡先生といえば確率論(というかギャンブル学)などの本を読んだことがある。大阪商業大学の学長先生。親から世襲の学長なので若くして学長になったと記憶している。その昔、サッカー中継を担当していた頃は、大学サッカーの取材で大阪商業大学にもよくお邪魔したのでなじみがあります。

本書は「40歳からの」と書いてあるが、もう私は40代も終わりなので「ちょっと遅いかな」と思いつつ、「でも参考になるかも・・・」と手に取った。

第4章「『本を読む』ノウハウ」、第5章「情報を捨てるためのファイル整理法」、第8章「自己の方法論を確立する~戦略と戦術の使い分け」などが興味深かった。

 


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(2011、1、25読了)

2011年2月15日 12:47 | コメント (0)

新・ことば事情

4298「妻が踏んで壊した」

 

大相撲八百長問題で、携帯電話の提出を求められてそれを拒んだ力士が、その理由として、

「妻が踏んで壊した」

と答えている人がいると、新聞が報じていました。

相撲取りが踏んで壊したのならともかく、その妻が・・・・?どんな妻なんだろう・・・。

これを聞いて思い出したのは、私が小学生の頃・・・もう40年ほど前になりますか、

「ゾウが踏んでも壊れない」

を売り文句にした筆箱のコマーシャルがあったのです。ご記憶の方(中高年を中心に)も多いのではないでしょうか?プラスチック製だったのかなあ。

その筆箱を買ってもらって喜んでいたある日のこと、うっかり、畳の上にその筆箱を置きっぱなしにしていたところ、そこを通りかかった母が、

「バリッ」

という音とともに筆箱を踏みつけてしまったのです。すると・・・

ゾウが踏んでも壊れないはずの筆箱に、見るも無惨なヒビが入っているではありませんか!ゾウが踏んでも壊れないけど、母が踏んだら壊れた・・・・。ゾウは、加減して踏んでくれていたのか?という疑念も湧きましたが・・・。

えー、つまり、

「力士が踏んでも壊れない携帯電話も妻が踏んだら壊れた」

というようなことは、もちろんありうるなあ、と。でも・・・「妻のせい」にするのは「卑怯」ではないでしょうか、たとえそれが事実だとしても。

 

(2011、2、10)

2011年2月14日 19:26 | コメント (2)

新・ことば事情

4297「盆中?中盆?」

 

大相撲の八百長問題で、スポーツジャーナリストの玉木正之さんに「ミヤネ屋」でインタビューをしました。そのインタビュー部分を含む原稿のナレーションを読んでいたのですが、インタビュー部分を聞いていると、

「盆中(ぼんなか)」

という言葉が出てきました。

「八百長の仲介役」

をする人のことを指す隠語だそうです。

私は相撲に詳しいというほどではないですが、現・放駒理事長が現役のときの魁傑・旭国の水入りの大相撲などはリアルタイムで見たぐらいですし、普通レベルに知っているつもりですが、「盆中」という言葉は初めて知りました。

ちょっとそれが気になっていたのですが、放送後に『サンデー毎日』や『週刊文春』の八百長に関する記事を読んでいると、仲介役のことは、

「中盆(なかぼん)」

と出ているではないですか!あ「中盆」なら聞いたことがあるぞ!とすると、玉木さんはたまたま間違ったか、ひっくり返したのか?

その後ネット検索をしてみたら、玉木さんは「あえて」「わざと」、「中盆」のことを「盆中」と言っているようだと思われる記述が出てきました。もともとは「盆中」が正しくて、それを「隠語」なので「倒語」で(ひっくり返して)「中盆」とみなは言っているのだ、と。

玉木さんのコラムで、ジャーナリストの高野孟氏が主宰するウェブメディア『ざ・こもんず』に寄稿したもの(2007218日アップ)の中に、

「八百長vs出来山」の大一番~大相撲に『八百長』は存在するのか?

というのがあって、その中で、

 「いいや。出来山じゃない。盆中だったかもしれない」

 「ボンナカ......? ナカボンじゃないんですか?」

 「中盆は盆中をひっくり返した隠語で、盆中を取り次ぐ力士のことを言いますな」

 「ボンナカ......」

とあったのです。「盆中」=「八百長」でそれを取り次ぐ人も「盆中」?

そうすると玉木さんの発言として「盆中」と出したのは間違いではなかったけれど、玉木さんがそういう主張をしていると知らない相撲ファンは「間違ってるんじゃないか?」と感じたでしょうから、ちょっとそのあたりの注釈なりを付けるべきではなかったか、と思いました。

また東京スポーツのサイト(201127日)には、

『八百長は「注射(ちゅうしゃ)」、相手に分からないように負ける片八百長は「盆中(ぼんなか)」、八百長仲介者を「中盆(なかぼん)」と呼んでいる。』

とあります。これが正しいとすると、「盆中」と「中盆」は意味が違ってくることになるのですが・・・。

なおネット検索では、

「盆中」「八百長」=   713

「中盆」「八百長」=10200

でした。ボンボン、ナカボン、ナカボン、ボン・・・。

                                                  (2011、2、10)

 

(追記)

月11日の毎日新聞「論点」「どうみる大相撲・八百長問題」と題して識者のコメントが寄せられています。その中で玉木正之さんも意見を述べられていて、そこでは、

「盆中(いわゆる片八百長)」

「中盆(その仲介者)」

注釈をつけて区別して使われていました。

また、読者の「かくた」さんからも、

『玉木正之公式WEBサイト「カメラータ・ディ・タマキ」の日記や蔵出しコラムを読みますと、

「出来山」=八百長

「盆中」=片八百長

「中盆」=八百長の仲介者

と、きちんと区別して使われていますよ。

http://www.tamakimasayuki.com/sport.htm)』

とご指摘いただきました。ありがとうございました。

 

 

2011年2月14日 12:23 | コメント (1)

新・ことば事情

4296「電話が届きまました」

28日の日本テレビ「ニュースZERO」を見ていたら、スポーツニュースのコーナーで、早稲田・三羽烏の一人、広島カープのドラフト1位・福井優也投手が23歳の誕生日(28日)を迎えて、

「同期の日本ハムファイターズの斎藤祐樹投手から電話が届きました」

と伝えていましたが、この、

「電話が届きました」

違和感がありました。

「電話は、届かない」

ですよね。もちろん、

「電話機を買ってプレゼントした」

のであれば、宅配便などで「電話が届く」こともあると思いますが。

「~が届く」

と表現するのは、

「手紙、ハガキ、ファックス、メール、電報、プレゼント」

などです。ここで言いたかったのは、

「電話がかかってきた」「電話が入った」「電話でお祝いのメッセージが届いた」

ということでしょう。その意味では「電話が届きました」というのは「混交表現」か、「電話でお祝いのメッセージが届いた」の「でお祝いのメッセージ」が省略されたか、というところが原因だと思います。

アナウンサーも記者(ディレクター)も「言葉」でメッセージを届ける仕事ですから、このあたりの言葉づかいにはもう少し敏感になってほしいなと思いました。

とはいうものの、「おかしい」ということに気付かなきゃ、直しようがないのですが・・・。

(2011、2、9)

2011年2月13日 19:22 | コメント (0)

新・ことば事情

4295「3A、2A、1Aの読み方」

 

24日に東京で開かれた新聞用語懇談会の放送分科会の席で、出た「日々の事例」の一つに、

「米野球『マイナーリーグ:3A・2A・1A』の読み方は、放送では『スリー・ツー・ワン』か?それとも『トリプル・ダブル・シングル』か?」

というものがありました。

各社の回答は、

(ABC)「スリー・ツー・ワン」の日本式。もちろん正式には「トリプル・ダブル・シングル」なのだろうが、あまり目くじら立てずに・・・。

(フジテレビ)「スリー・ツー・ワン」が主流。「トリプル・ダブル・シングル」を使う人もいるが・・・。

(共同通信)「スリー・ツー・ワン」

(NHK)「トリプル・ダブル・シングル」で放送している。

というものでした。回答があった中ではNHKだけが「トリプル・ダブル・シングル」を使っているのですね。おそらく、恒常的に大リーグ中継をやっているということと関連があるのでしょう。

読売テレビの野球担当アナウンサーに聞いたところ、

「『スリー・ツー・ワン』ですね。日本のプロ野球の監督とか関係者もそう言っています。メジャーリーグ中継とか、そちらに詳しい人は『トリプル・ダブル・シングル』と言っているのは知っていますが・・・」

とのことでした。今、両方混在しているのですね。

(2010、2、8)

2011年2月13日 10:21 | コメント (0)

新・ことば事情

4294「ディオールのオールは」

朝、出がけについていたテレビで流れていた、

「ディオール」

のコマーシャルを目にしたとき、「ハッ」としました。

「『ディオール』の『オール』は『金(きん)』という意味ではないか?英語の『gold(ゴールド)』。『ディ』は前置詞だろう。英語で言うと『of』とか『at』とか『by』というところか?」

なんで急にそんなことを思いついたのか?と言うと・・・なんででしょうか?わからないけど、一応、ワインの話で出てくるフランス語の地名(ブドウの産地)で、

「コート・ド・オール」

というのがブルゴーニュ地方にあって、その「コート」は「丘」、「オール」は「金(きん)」だというのを突然思い出したからなんです。つまり「コート・ド・オール」の意味は「金の丘」。

あ、そういえば、スペイン語で「金」は「オロ」でした。シェリー酒の高級なものを、

「オロ・ロッソ」

と言います。「オロ」が「金色」、「ロッソ」は「赤」。ちなみに「ネロ」は「クロ」じゃなくて「黒」。「ロ」で脚韻を踏んでいるな。「ネロ」はイタリア語も同じだっけ?ラテン語系は、みんな同じだ。

「オール」が「金」とわかっても特に何も変わらないのだけど、「高級感」を表す名前なのだなと改めて認識したのでした。

 

(2011、2、8)

2011年2月12日 19:20 | コメント (1)

新・ことば事情

4293「『にわか雨』は『ある』か?『降る』か?」

新聞用語懇談会の放送分科会でここ2年ほどかけて審議しているのが『放送で気になる言葉・改訂新版』の改定作業。先日、ようやく最終ゲラ・チェックが終わって、いよいよ3月には、8年ぶりの改訂版が出そうです。

その作業の中で、一つ話し合われたのが、

「にわか雨が降る」「にわか雨がある」

という表現について。これまでの『改定新版』では、

×「降る」

○「ある」

として、

『「降るでしょう」が誤りとは言えないが、放送(気象用語)では「にわか雨」や「雷雨」には「降る」意味が含まれていると見て、「あるでしょう」とする。』

となっていました。これに関して、

『「にわか雨があるでしょう」が正しく、「にわか雨が降る」という表現は「絶対にダメ」だとは言えないのではないか?「にわか雨」はその中に「にわかに降る雨」と「降る」の意味が含まれているので「『にわか雨が降る』は重複表現」というのは納得できない。』

という意見が出ました。

これについて私の考えは、

『「にわか雨」は「降る」という「動作」が含まれているのではなく、「急に降ってすぐにやむ」という完結を伴う一連の「現象」を表しているので、やはり「ある」が正しいのではないか?もちろん「降る」が絶対にダメとは言えないかもしれないが。』

というものでした。

結局「新しい『放送で気になる言葉2011』には、

『「降るでしょう」が誤りとは言えないが、放送(気象用語)では「あるでしょう」とする。』

になりました。

その後、家に帰る途中に、また考えてみました。

『「にわか雨」は、降り終わらないとわからない。予報では「にわか雨かあるでしょう」と現象として言えるが、たとえ急に降り出しても、その時点では「にわか雨」かどうか断定できない。「あ、にわか雨が降ってきた!」とは言えない。止むかどうかわからないからだ。そこから考えたら、やはり「にわか雨」は「ある・ない」ではないか?』

皆さんはどうお考えでしょうか?

(2011、2、8)

2011年2月12日 10:20 | コメント (0)

新・読書日記 2010_256

『神の雫25』(作・亜樹直、画・オキモトシュウ、講談社:2010、11、5)

今回はシャンパーニュ。いわゆるシャンパン。あまり私は飲まないが、おいしいんだろうなあ・・・・と。

最近このマンガの単行本の巻末で紹介するワインも2000円台とか、お手頃になってきて、ちょっと嬉しい。でも、単行本は何か月かに1回しか出ないから、もう、話の筋を忘れかけている。今は「十二使徒」の8番目のワインなんですが、マンネリ感が・・・・。


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(2010、11、5読了)

2011年2月11日 18:56 | コメント (1)

新・読書日記 2010_255

『第62回正倉院展 目録』

UPするのを忘れていました。去年(2010年)の分。

11月に正倉院展を見に行って来て、目録を買ってきました。

螺鈿の楽器、すごかった。1000年も前のものとはとても思えませんでした。

感激。


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(2010、11、7読了)

2011年2月11日 10:54 | コメント (0)

新・ことば事情

4292「農産品はノーサンピン?」

 

「農産品」

の読み方について質問を受けました。

「ノーサンピン」か?「ノーサンヒン」か

というのです。普通は、

「農産物(ノウサンブツ)」

あるいは、

「農作物(ノウサクブツ)」

と言いますがねえ。「農作物」を間違って、

「ノウサクモツ」

と読む人がいます。これは、

「農・作物」

区切って考えるのでそうなるのですが、これの正しい区切り方は、

「農作・物」

なんですね。その考え方を応用すると「農産品」もわかるかもしれません。つまり、

「農・産品」=「ノウ・サンピン」

「農産・品」=「ノウサン・ヒン」

なのではないか?と思います。どっちが正しいんでしょうか?両方あり?

国語辞典を引いても「農産品」は載ってないんですよね。『三省堂国語辞典』『明鏡国語辞典』には「産品(サンピン)」は載っていました。用例は、

「一次産品」

でした。「一次産品」の「一次」の部分を「農」に置き換えたと考えれば、

「ノウサンピン」

でしょうね。つまり「産品」が言葉として独立していると考えられれば「サンピン」なのではないでしょうか。

 

 

 

(追記)

サイトにアップするや否や、NHK放送文化研究所の塩田雄大さんからメールを頂きました。もう2年以上前(2008年10月)に、塩田さんが「ことばQ&A」で書いてらっしゃるというのです。タイトルは、まさに「農産品」の読み方。

http://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/qa/kotoba_qa_08100101.html

それによると、

『「ノーサンヒン」と「ノーサンピン」の2とおりの読み方が考えられますが、放送で使う場合には「ノーサンヒン」と言うのがよいでしょう。

という回答をされています。「解説」を読んでみると、

『「農産品」によく似た形のことばとして、 名産品、特産品、生産品、量産品、国産品、県産品...... などがあります。これらはすべて、 メイサン + ヒン 、 トクサン + ヒン ...... という形(漢字2字+1字)であり、「~ヒン」のようになっていて、半濁音化を起こしていません。「農産品」は、意味の上から、「農」+「産品(サンピン)」ととらえることも可能ではあるのですが、「農産」+「品(ヒン)」と考えたほうが、しっくりくるように思います。』

とのことでした。塩田さん、ご教示ありがとうございます!

 

 

 

(2011、2、6)

2011年2月10日 18:54 | コメント (0)

新・ことば事情

4291「でやらへん」

先日、京阪電車の中で、若い女の子の言葉がふと耳に入りました。

「やってるときは、でやらへんの」

うん?・・・この、

「でやらへん」

は、あれかな?京都弁っぽい感じだな。そして、似た言葉があったぞ。童謡「かごめかごめ」の中に、

「いーつー、いーつー、でーやーる?」

この「でやる」の否定形ではないか?そうすると、「でやる」も「かごめ」も京都の言葉なのか?「かごめ歌の裏意味考」というサイトを見たら、

「『出やる』の『やる』は西日本で、目下の者や愛玩動物に対して親しみを込めて使う敬語的語彙である。」

とありました。「西日本」、つまり「京都」とは限らないわけか。京阪電車に乗っているからって「京都の人」とは限らないもんなあ。

牧村史陽『大阪ことば事典』で、「やる」を引くと、

「ヤル」=「おる(居る)の転訛であろう。(婦人語)(例)いヤル、行きヤル、書きヤル(いおる・行きおる・書きおるの意)。一方、男子の語としては、これが、居よる・行きよる・書きよるとなる。」

確かに「女性語」ですね、これは。女性と子ども。童謡でも女の子が歌っていそうですからね、「かごめかごめ」。

「でやる」が身近に感じられるようになりました。

(2011、2、6)

2011年2月10日 11:11 | コメント (0)

新・読書日記 2011_019

『「大発見」の思考法~iPS細胞vs.素粒子』(山中伸弥・益川敏英、文春新書:2011、1,20)

iPS細胞の山中教授とノーベル賞の益川教授。すごい2人の対談。よく話が合うものだ。

山中教授はその風貌から、ものすごいキレ者のように思っていたが、意外とこれまで挫折というか紆余曲折をしてきたのだなあと思った。「iPS」という名前を付けるときに「i-Pod」みたいでかっこいいから・・・などと考えていたとは思わなかった。ビックリした。最初の方を読むだけで、これまで漠然としていた「iPS細胞」というものについて、また「ES細胞」との違いなどもよくわかった。

「目標は高く、行動は着実に」

なるほどなあ。「言うは易し、行なうは難し」だなあ。

大変刺激的な勉強になる対談本でした!

余談だが、帯の二人の写真が、シンボウ兄弟の写真の表紙とよく似てるんだなあ、これが。出版社は違うのに。


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(2011、2、1読了)

2011年2月 9日 19:42 | コメント (0)

新・ことば事情

4290「ニュウ」

出張で東京へ行った際、銀座を歩いていたらこんな看板が目に入りました。

「ニュウ銀座 千疋屋」

ほほう、「ニュー」ではなく「ニュウ」ですか。ちょっと珍しいのではないかい?

ネット検索したら、

「西諫早ニュウタウン事務所」

というのがありました。「新品」のことを、

「おニュウ」

と書いている人もいますね。(26日Google検索)

「おニュウ」= 26700

「おニュー」=964000

やはり「おニュー」が「主流」ではありますが、「おニュウ」も、ないことは、ないと。

「ニュウ銀座」

で検索すると、「もしかして"ニュー銀座"」と出てきたので、やはり原則は「ニュー」でしょう。ただその中に「ニュウ銀座千疋屋ビル」が出てきました。「ニュウ」は固有名詞の一部なんですね。「千疋屋」は1913年(大正2年)日本初の「フルーツパーラー」を開業、「ニュウ銀座千疋屋」が銀座5丁目にできたのは1847年(昭和22)のことだそうです。

それにしても、「ニュウ」と書くと、なんとなく英語の「新しい」という意味の「ニュー(new)」とは違う言葉のように見えてくるから不思議です。

日本語の表記って、なんだかすごいですねえ。

 

(2011、2、6)

2011年2月 9日 12:07 | コメント (0)

新・読書日記 2011_018

『日本経済の不都合な真実~生き残り7つの提言』(辛坊治郎×辛坊正記、幻冬舎:2011、1、25)

「はじめに」を読むと、前作で「シンボウさんの本だからわかりやすくて易しいと思ったら難しかった」という感想が寄せられたことにショックを受けた著者は、「より、かみくだいてわかりやすく」を心掛けたそうだ。その甲斐あってか、確かに前作よりは引っかかるところが少なく読み進められた。途中でメモしたのはずいぶん少なかった。

*なぜ「i」が金利?「x」ではないの?「シンボウ兄弟」って表記は「千原兄弟」みたい。(18ページ)

*一年で物価が一割下がったら実質金利があがって11000円の利息が付いたと見ることができる、と。しかし預けなかったお金もすべておしなべて相対的に1割アップしたなら、11000円とみるのはナンセンスでは?(23ページ)

GDPが1%上昇し国債金利も1%上昇したら利払いが5兆円に膨らむというが、では二重の赤字だったアメリカはどうだったのか?他国は?(29ページ)

*長期的に見れば金利を上回る経済成長を実現する社会が望ましいというが、経済成長があると金利が膨らむのでは?どうやってそこから抜け出すの?(31ページ)

 

こんなところ。あとはすらすら読めた。

サブタイトルの「生き残り7つの提言」はどこに出てくるのかと思ったら、最終「第4章」にまとめてあった。その意味では、著者が言いたいことは、この「第4章」を読めばいいことになる。それを理解するためには1~3章を読んでくださいね、と。でもシンボウさんも「提言」しておきながら「本当にこれでよいのか?」と悩んでいるような姿が感じられました。

なお、今回は、駅前の書店で見つけて買いました。


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(2011、1、30読了)

2011年2月 8日 19:04 | コメント (1)

新・読書日記 2011_017

『鉄学概論~車窓から眺める日本近現代史』(原武史、新潮文庫:2011、1、1)

 

NHK教育テレビの「知るを楽しむ」のテキストとして書かれたものに加筆して文庫化した本。「知るを楽しむ」のテキストはなかなかよく出来ていて(全部かどうかは知りませんが)、以前、円満字二郎さんの漢字についての回のテキストは、新聞用語懇談会の放送分科会の中でも話題になりました。そういう意味ではよくできている本です。

原さんは単なる「鉄道おたく」ではなく、人間の生活・文化・活動の歴史を知る手段として鉄道というものを取り上げているんだなということがよくわかりました。その意味ではサブ・タイトルの「車窓から眺める日本近現代史」というのは「ズバリ!」です。

1章の「鉄道紀行文学の巨人たち」から、もう引き込まれてしまいました。

読むべし!

 


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(2011、1、31読了)

2011年2月 8日 12:03 | コメント (0)

新・ことば事情

4289「便急めばつ」

 

先日見かけた、トラックに書かれた文字。

「便急めばつ」

「めばつ」?「魚の名前」か?それは「めばち」

あ、そうですよね、もうお気づき、「逆文字」です。トラックの右側の「腹」に、「前から後ろ」に向かって、つまり「右から左」へ書かれている文字を、普通に「左から右」に読んだので、「逆」になっていたのですね。正しい読み方は、

「つばめ急便」

でした。なんか、久々に逆文字を見た気がします。「ことば事情」で書いたのは、

「くらいめ阪大」

というのがあったな。あれ以来かな?10年ぐらい前だぞ、たしか。調べてみたら、「平成ことば事情140」で、書いたのは20007でした。でも、その後「追記」をしていますね。

200312に、ごみ収集車の、

「ミゴるき生 で夫工のたなあ でいなて捨」

捨てないで あなたの工夫で 生きるゴミ)

20088に、

「ムテスシ舗店合総」

(総合店舗システム)

200811に、

「意注ドーピス」

(スピード注意)

などを拾っています。2年と3か月ぶりぐらいですね、気になったのは。

(2011、2、6)

2011年2月 7日 19:03 | コメント (0)

新・ことば事情

4288「食べ放題 払い放題」

先月末、「ミヤネ屋」の「慰安旅行」が行われました。2年ぶりの旅行です。行き先は、加賀・片山津温泉。バスでの旅行でした。バスの車内では、お馴染み日本旅行のカリスマ添乗員・平田さんが、発車前からマイク・パフォーマンスで盛り上げます。

マイクを握る仕事の一人として、

「なるほど、こういった盛り上げ方もあるのか!」

目からウロコが落ちたのは2年前。今回もしっかり勉強させてもらいました。しかし、なかなか、見て聞いて体験するだけではマネの出来ない「しゃべり」の「ワザ」です。これが「個性」というものなのですね。

さて、その平田さんの「しゃべりの技術」の一端を示すのが、バス旅行では必須科目の「土産物の買い物」や「お昼ご飯」に連れて行かれる際のこの言葉です。

 

「さあ皆さん、ここではもう、食べ放題(買い放題)、払い放題という夢のような企画でございます!」

 

これ、コツは、

「夢のような」

のところに力を入れて、粘ってゆっくりと、抑揚をつけてしゃべってください。しかも本当に100%「夢のような」と心の底から思い込んで言うことが必要です。

で、笑いが「ドーン!」と来ることは間違いなしです!

当たり前のことを、さも「お得!」という口調でまじめにしゃべるだけで「受ける」というのは、何なんでしょうねえ。似たようなものには、私もよく使うのですが、

 

「きょうの客席は、空席を除けば全て満席!」

 

というのがあります。当たり前です。でも、言い方と状況によっては、結構受けます。場の空気が和みます。当たり前のことを当たり前でないように驚きをもって言う、これがミソなんですかねえ。

でも、同じように言っても、受ける人と受けない人がいるのも事実なんです。

ね、五十嵐君!!

(2011、2、6)

2011年2月 7日 13:02 | コメント (1)

新・ことば事情

4287「アディショナルタイム」

120日、日本テレビから「用語の統一」の連絡が来ました。

それによると、「サッカー競技で試合に追加される時間」を、

「アディショナルタイム(Additional Time)」

で統一することになったとのこと。これまでは多くの場合、

「ロスタイム」

と呼ばれてきたのですが、FIFA(=国際サッカー連盟)ではワールドカップなども含めて、

「Additional Time○分/アディショナルタイム○分」

という形で表示されるようになり、日本サッカー協会も同じ呼称を用いているので、サッカー競技の試合の際に追加される時間の名称を放送上

「Additional Time(アディショナルタイム)」

とし、表記・読み方を統一することになったのだそうです。NNN系列の読売テレビとしてもこれに従うことになります。

他社の状況はどうか?先日開かれた新聞用語懇談会放送分科会でも議題に上りました。それによると、

(テレビ朝日)アジアカップでは「ロスタイム」。アジアカップの実況アナに聞いたら「今はそれしか考えていないし議論も出ていない。『アディショナルタイム』と発音する『時間』がないのと、視聴者に伝わらないと思うので時期尚早では?」と。

(MBS)現時点では「ロスタイム」。ラグビーでは以前「インジュアリータイム」などとも言っていたが、今は「ロスタイム」。高校ラグビーの花園ラグビー場での場内アナウンスも「ロスタイム」。ただ、ラグビーは時計を止めるようになったので、「ロスタイム」というものがなくなった。

(TBS)「アディショナルタイム」に移行するタイミングを考えているところ。

(テレビ東京)海外中継の現地スーパーで「アディショナルタイム」と。スポーツニュースは「ロスタイム」と使い分け。

(WOWOW)リーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)の中継は「ロスタイム」。まだ「アディショナルタイム」は浸透していないが「今後の流れはそちらになるのでは?」と実況の柄沢アナウンサー。社としての動きは、今のところなし。

(フジテレビ)実況の青嶋アナウンサーは「『ロスタイム』でやっている。認識はしているが『アディショナルタイム』に移行する考えはない。サッカー協会などから話があれば考える。」

(NHK)「ロスタイム」と言ったあとに「アディショナルタイム」と言い添えている。

(ABC)「スカパー」のJリーグ中継は「アディショナルタイム」で統一してくれと言ってきたので、それにそろえている。

とのことでした。

(2011、2、6)

2011年2月 7日 00:02 | コメント (0)

新・読書日記 2011_016

『モルフェウスの領域』(海堂尊、角川書店:2010、12、15)

「モルフェウス」というのは「眠りをつかさどる神」なんだそうだ。

これは近未来SF。「コールドスリープ」、人間を冬眠させる機械(宇宙船でワープする時に眠る、ああいった種類のもの)が出来たものの、いろいろな問題が起きる。そこで5年間眠る少年と、その眠りを守る女性。少年が目覚めた時、女性は・・・。

80ページを過ぎたあたりから、いつもの"海堂ワールド"の住人・"愚痴外来"の田口先生たちが登場するが、今回は脇役。一体、"海堂ワールド"の登場人物は、どれだけの広がりを持つのだろうか?これはいわゆる「スピンオフ」的な一冊。内容は・・・ちょっと難しかった。

そういえば、映画『インセプション』も「眠り」「夢」の世界と現実の世界の話。『トータル・リコール』以来、『マトリックス』とかも同じような感じ。リアルワールドと、ヴァーチャルワールドという話になると、どうしても「夢」になるな。落語では「夢オチ」は「安易だ」と批判されると聞いたことがあるが・・・。

ま、「夢」というか、「脳」の活動で出来た「意識」があるからこの世が存在する、「我、思うゆえに、我あり」ということなんだろうか。


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(2011、1、24読了)

2011年2月 2日 12:10 | コメント (1)

新・読書日記 2011_015

『信頼する力~ジャパン躍進の真実と課題』(遠藤保仁、角川Oneテーマ21:2011、1、10)

しっかりと主張した本でした。

代表100試合を超えるベテラン・遠藤選手。日本代表でつかえた監督の評がおもしろい。

トルシエ、嫌いだったのね。ジーコもあまり・・・コミュニケーションが取れなかったそうです。オシムさんはまずまず。岡ちゃん、気が合うみたい。そしてザッケローニ。トルシエとジーコは呼び捨てですから。

アジア杯で頑張っている日本代表、是非、優勝してほしい!

(☆4つ)


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(2011、1、21読了)

2011年2月 1日 18:09 | コメント (0)