新・読書日記
2011_030
『電子マネー革命~キャッシュレス社会の現実と希望』(伊藤亜紀、講談社現代新書:2010、11、20)
サブタイトルが、「キャッシュレス社会の現実と希望」。確かにここ10年で、驚くほどキャッシュレス社会が進んだ。それも「クレジットカード」と「プリペイドカード」から、ICチップを仕組んだカードでタッチしてお金が引かれるというタイプへ、それとやはり、インターネット・ショッピング。「お金」が目に見えなくなってきた。
私などは27年前に入社した時に、既に「給料」は「銀行振り込み」であったので、その点には違和感はないが、実は「イコカ」「スイカ」系統のものには、いまだにちょっと不信感を持っている。ネット・ショッピングもあまりしない。便利なのはわかるが、ちょっと怖い。ネット・バンキングなどとんでもない!と思っていたが、先日、妻が「日曜の夜」にネット・バンキングで振込みをしてくれた。手数料はタダ。しかも銀行が開いていない時間でも利用できる(実際のお金が振り込まれるのは後日=月曜になるが)。要は、振込みの作業をいつでも好きな時間に好きな場所でできるというのは、やはり大きなメリットである。なんで銀行って、午後3時までしか開いてないんだろうか?不親切である。
本書は「新書」という形式にしては親しみやすく、架空の夫婦が「ポイント」を貯める生活を、面白い小説のように展開して具体例を示し、その後に論理的にそれを説明していく形のもの。非常にとっつきやすい。書いた人(著者)は当然男だと思い込んでいたら、著者の名前をよく見ると、女性ではないか!ふーん。
本の帯に書かれた「迫り来る『現金絶滅の日』!?」は、いつになるのだろうか?
EUの共通通貨「ユーロ」をにらみながら、グローバルにで「通貨」というものを考えるよいきっかけになる一冊でした。
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(2011、2、21読了)
2011年2月28日 23:11
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新・読書日記
2011_029
『天皇さんの涙~葭の髄から・完』(阿川弘之、文藝春秋:2011、1、10)
上等な和菓子のような味わい。
月刊の『文藝春秋』の巻頭のエッセイ、著者90歳を前に、執筆をやめたのが去年秋。エッセイのタイトルは「葭(よし)の髄から」。「井の中のかはず」のように、「葭」の髄(茎)から世の中を覗くように、狭い視野に過ぎないが・・・というような「謙遜」の気持ちが。でも、「だからこそ見える『真理』も」という自負も感じられるタイトル。
『文藝春秋』は毎月読んでいるわけではないので、著者が執筆をやめたのを、ついこの間間で知らなかった。『週刊文春』で、娘の阿川佐和子さんの対談に登場して、執筆をやめた理由などについて話をしていたのを読んで初めて知って、それからこの本が出たので読んだ。
ちなみに私の父も、図書館で借りてきて1日で読んだそうな。新刊なのに、最近の図書館はもう仕入れてくれるんですね。そして、その「新刊」を呼んだのは「2番目」ということですから、人気もあるんだなあ。
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(2011、2、23)
2011年2月28日 23:00
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新・読書日記
2011_028
『バカ田大学入学試験問題(馬科)』講談社:2011、1、10)
アイデアがいいですヨねえ。大学入試問題集の「赤本」の体裁をとった、実質「なぞなぞ本」です。
「バカ田大学」といえばもちろん、ご存じ「バカボンのパパ」の母校。「都の西北、ワセダの隣」で始まる「校歌」も有名です。
前半、クイズ・・・じゃなかった「入試問題」を紹介する前に、「大学紹介」があり、その有名な(?)「校歌」の歌詞や「キャンパス案内」、OBのコメントなども載っています。遊び心、満載です。
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(2011、2、17読了)
2011年2月28日 22:21
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新・読書日記
2011_027
『なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか』(若宮健、祥伝社新書:2010、12、10第1刷・2011、1、5第3刷)
韓国にパチンコがあること自体、知らなかった。日本のパチンコ台が輸出され、釘を抜いて真ん中のスロット表示がクルクル廻る、メダルで遊ぶゲームに変わってはいるそうだが。そして、2000年代に入ってそれが社会問題になって、全廃されたことも全く知らなかった。その昔、パチンコをしたことはあるが、決してのめりこまないようにしていた。本気でやり出すと、のめりこんでしまうことがわかっていたからだ。それと、当時はタバコの煙がモウモウでそれに耐えられなかったこと、音がうるさすぎることなども、パチンコ通いをしなくなった理由だ。そのうち、1000円や2000円ぐらいでは遊べなくなって、全く足が向かなくなった。しかしそれ以降、逆に足が向き出した人もいるだろう。
最近テレビでパチンコ台のCMが目立つ。「台」を宣伝してどうなるのか?と思うのは素人で、やはり「台の魅力」が、パチンコ店に客を惹きつけるのだろう。(本書でも述べられているように民放テレビ局はそのCMで稼がせてもらっているので完全には否定できないのも確かに事実だが・・・。)
しかし子どもを車に残してパチンコを打ち続け、その間に子どもが死んでしまう事件が後を断たないことを考えると、「パチンコ」というギャンブルの持つ魅力・魔力は、個人の意志で断ち切ることができないほど強いものであるとも言える。やはり何らかの手を打つ必要はあるのではないだろうか
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(2011、2、12)
2011年2月28日 21:20
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新・読書日記
2011_026
『怒らない技術』(嶋津良智、フォレスト出版:2010、7、17第1版・2010、8、26第7刷)
ショッキング・ピンクの表紙が、既に"怒りが爆発"したような感じで恥ずかしく、ふだんは本屋さんの紙のブックカバーはつけないで本を読む私も、さすがにこれはカバーをつけて読んだ。
本書では、簡単に言うと、
「他人を変えることはできない。だからあなたが変わるべきなのだ」
というようなことが書かれていて、ふんふん、と読んでいたのだが、ちょっと待った!
「他人を変えることができない」
と言っているのに、この本を読んだ「(著者にとっての)他人(=怒りっぽい人)が変わるべきだ」、つまり「他人を変えよう」としているのは矛盾してないか?と思ったら腹が立ってきた!・・・また失敗です・・・。
でも、ちょっとは参考になるところもありました。素直に、素直に。
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(2011、2、10)
2011年2月27日 21:19
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新・読書日記
2011_026
『怒らない技術』(嶋津良智、フォレスト出版:2010、7、17第1版・2010、8、26第7刷)
ショッキング・ピンクの表紙が、既に"怒りが爆発"したような感じで恥ずかしく、ふだんは本屋さんの紙のブックカバーはつけないで本を読む私も、さすがにこれはカバーをつけて読んだ。
本書では、簡単に言うと、
「他人を変えることはできない。だからあなたが変わるべきなのだ」
というようなことが書かれていて、ふんふん、と読んでいたのだが、ちょっと待った!
「他人を変えることができない」
と言っているのに、この本を読んだ「(著者にとっての)他人(=怒りっぽい人)が変わるべきだ」、つまり「他人を変えよう」としているのは矛盾してないか?と思ったら腹が立ってきた!・・・また失敗です・・・。
でも、ちょっとは参考になるところもありました。素直に、素直に。
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(2011、2、10)
2011年2月26日 18:16
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新・読書日記
2011_025
『あぁ、残念な話し方!~台なしにするひと言、株を上げるひと言』(梶原しげる、青春出版社:2011、1、15)
話し言葉について分かりやすくおもしろく、具体的な実例を示しつつ、軽快に読ませる本。つい先日、梶原さんご本人と飲む機会があった。いやあ、さすがでした。新人アナ時代に先輩に飲みに連れってもらったときに、会話のテンポの速さについて行けず、首を右、左に振って一言も発することができない間に朝になっていた(ちょっと大げさ)時のことを思い出したぐらいの、梶原さんのマシン・ガントークだった。ま、こちらも新人の時よりは訓練を積んでいますから、なんとか応戦しましたが、精一杯でした。すごいなあ、梶原さん。 嵐のようにしゃべって風のように帰られたが、また一度、じっくり話をしたいなあと思いました。
それにしてもその飲み会の席では、この本の話が出なかったな。そのあとで、本屋さんで見つけて、すかさず購入しました。
読みやすいですよ。梶原さんのこの書き方だと、小説が書けるんじゃないかなと思いました。清水義範さんみたいに、言葉をテーマにしたコミカルな小説、いかがでしょう?本書の中で『相手の"口撃"はこうかわす!』の項、わかっちゃいるけど、なかなかできないんですや、これが。でも、いっぺんやってみようかなと思いました。
「おわりに」に梶原さんも書かれているように、これだけ濃い内容の本がこれだけ素早く読めちゃう、これはやはり梶原さんの「話し言葉で書く」文体によるのでしょう。「濃い内容」というよりは「幅広い内容」、でしょうか。「広く浅く」、アナウンサーの基本です。
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(2011、2、14読了)
2011年2月25日 18:08
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新・読書日記
2011_024
『「郵政」亡国論~1枚の切手から見える"日本沈没"のシナリオ』(池田健三郎、ワニブックスPLUS新書:2011、2、25)
「ミヤネ屋」にもご出演いただいている池田さんのご本。本屋で見つけて、すぐ購入。
経済評論家である一方、「切手」に関しても「プロ」である池田さん。他局の深夜のハイヒールがやっている番組に「切手の専門家」として出演されているのを見て親しみを感じた。全く別の場面で知り合った切手の専門家・内藤さんのことを「知っているかな?」と思って、次の「ミヤネ屋」の出演の際に聞いてみたところ「ああ、よく知ってますよ。道浦さんは何で知ってるんですか」というような話になって、「切手を通じて世界を見る」という方法について共感を覚えたのだった。
本書は「郵政民営化」を進めた小泉政権なきあと、「反・郵政民営化」の道をたどっていることのおろかさ、「プリペイド」である「切手」を濫発して発行することは、負債を先送りする、つまり「年金」などと同じく、無自覚に、未来の子どもたちへの「ツケ」にしているという実態を暴いている。「郵政」のうち、ユニバーサル・サービスである「郵便」は、「国家」「福祉」「人権」と密接に連関しているのだ、と。
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(2011、2、8読了)
2011年2月17日 12:44
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新・読書日記
2011_023
『東大生の論理~「理性」をめぐる教室』(高橋昌一郎、ちくま新書:2010、12、10)
私にとって「論理学」は、大学で受けた授業の中でも1,2を争う理解不能の科目だった。大変興味を持って最初の講義に臨んだが、挫折するのは早かった。日ごろ他人からは「論理的」といわれる(というか「理屈っぽい」)私だが、「論理学的な論理」は、はっきりいって全く持ち合わせていない。どちらかと言うと「感性の人」だと思ってます。理屈っぽい感性の人・・・。
以上のことをご理解いただいたうえで、以降の文章を読んでいただきたい。
本書の最初の方は、「ああ、やっぱり『論理学』は向いてないや」と思わせるに十分な難しさがあったのだが、途中から「お、おもしろい!」という内容になってきた。
東大での講義を通して、著者は東大生の優秀さを目のあたりにするわけだが、そういった東大生を惹きつける講義をできる著者もすごい。
サンデル教授の教室も魅力的(で難解)だが、日本にもこんな授業があるんだなあと思いました。この著者のほかの本も読んでみようかなという気になりました。
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(2011、2、5読了)
2011年2月16日 18:43
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新・読書日記
2011_022
『プロ野球最強のベストナイン~全時代の一流選手の真価を問う』(小野俊哉、PHP新書:2010、11、29第1刷・2011、2、3第5刷)
単に歴代ランキングで上から選ぶベストナインではなく、打者は「1番バッター」から「9番バッター」まで、「打力」を中心に順番に選んでいき、そのバッターの守備位置がふさがれていくというのは、ちょっとおもしろい知的好奇心をくすぐる頭脳ゲームです。
ピッチャーは、「1リーグ時代」は一くくりに、その後は10年ごとの区切りで、年代ごとのベストのピッチャーを先発と押さえで11人。
いやあー、え!あの選手が入らないの?という面もありますが、選ばれた選手どれも兵(ツワモノ)ぞろい。ある意味「ミステリー」を読むような感じで読み進めることができます。最後のページに、選手の名前と顔写真が載っていますから、決して後ろのページから読むようなことはないようにしてくださいね!
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(2011、2、7読了)
2011年2月16日 10:49
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新・読書日記
2011_021
『英語の質問箱~そこが知りたい100のQA』(里中哲彦、中公新書:2010、12、20』
いやあ、大変ためになる、英語の質問が100!
すべて「見開き2ページ」で答えているので簡潔!特に2つ目の質問「l」と「r」の発音をどう区別するか?が私には「そうだったのか!」と「目からウロコ」でしたよ。
よく言われることかもしれないけど、「l」は発音の前に小さい「ヌ」を付ける。そして「r」は発音の前の小さな「ウ」を付ける。特に「r」は「ウ」を付けることで、完璧に「r」の音になりました!楽しい!!もう一回英語を勉強しようかなと思うぐらい、楽しい質問箱でした。
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(2011、2、4読了)
2011年2月15日 20:48
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新・読書日記
2011_020
『40歳からの知的生産術』(谷岡一郎、ちくま新書:2011、1、10)
谷岡先生といえば確率論(というかギャンブル学)などの本を読んだことがある。大阪商業大学の学長先生。親から世襲の学長なので若くして学長になったと記憶している。その昔、サッカー中継を担当していた頃は、大学サッカーの取材で大阪商業大学にもよくお邪魔したのでなじみがあります。
本書は「40歳からの」と書いてあるが、もう私は40代も終わりなので「ちょっと遅いかな」と思いつつ、「でも参考になるかも・・・」と手に取った。
第4章「『本を読む』ノウハウ」、第5章「情報を捨てるためのファイル整理法」、第8章「自己の方法論を確立する~戦略と戦術の使い分け」などが興味深かった。
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(2011、1、25読了)
2011年2月15日 12:47
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新・ことば事情
4293「『にわか雨』は『ある』か?『降る』か?」
新聞用語懇談会の放送分科会でここ2年ほどかけて審議しているのが『放送で気になる言葉・改訂新版』の改定作業。先日、ようやく最終ゲラ・チェックが終わって、いよいよ3月には、8年ぶりの改訂版が出そうです。
その作業の中で、一つ話し合われたのが、
「にわか雨が降る」「にわか雨がある」
という表現について。これまでの『改定新版』では、
×「降る」
○「ある」
として、
『「降るでしょう」が誤りとは言えないが、放送(気象用語)では「にわか雨」や「雷雨」には「降る」意味が含まれていると見て、「あるでしょう」とする。』
となっていました。これに関して、
『「にわか雨があるでしょう」が正しく、「にわか雨が降る」という表現は「絶対にダメ」だとは言えないのではないか?「にわか雨」はその中に「にわかに降る雨」と「降る」の意味が含まれているので「『にわか雨が降る』は重複表現」というのは納得できない。』
という意見が出ました。
これについて私の考えは、
『「にわか雨」は「降る」という「動作」が含まれているのではなく、「急に降ってすぐにやむ」という完結を伴う一連の「現象」を表しているので、やはり「ある」が正しいのではないか?もちろん「降る」が絶対にダメとは言えないかもしれないが。』
というものでした。
結局「新しい『放送で気になる言葉2011』には、
『「降るでしょう」が誤りとは言えないが、放送(気象用語)では「あるでしょう」とする。』
になりました。
その後、家に帰る途中に、また考えてみました。
『「にわか雨」は、降り終わらないとわからない。予報では「にわか雨かあるでしょう」と現象として言えるが、たとえ急に降り出しても、その時点では「にわか雨」かどうか断定できない。「あ、にわか雨が降ってきた!」とは言えない。止むかどうかわからないからだ。そこから考えたら、やはり「にわか雨」は「ある・ない」ではないか?』
皆さんはどうお考えでしょうか?
(2011、2、8)
2011年2月12日 10:20
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新・読書日記
2010_256
『神の雫25』(作・亜樹直、画・オキモトシュウ、講談社:2010、11、5)
今回はシャンパーニュ。いわゆるシャンパン。あまり私は飲まないが、おいしいんだろうなあ・・・・と。
最近このマンガの単行本の巻末で紹介するワインも2000円台とか、お手頃になってきて、ちょっと嬉しい。でも、単行本は何か月かに1回しか出ないから、もう、話の筋を忘れかけている。今は「十二使徒」の8番目のワインなんですが、マンネリ感が・・・・。
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(2010、11、5読了)
2011年2月11日 18:56
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新・読書日記
2011_019
『「大発見」の思考法~iPS細胞vs.素粒子』(山中伸弥・益川敏英、文春新書:2011、1,20)
iPS細胞の山中教授とノーベル賞の益川教授。すごい2人の対談。よく話が合うものだ。
山中教授はその風貌から、ものすごいキレ者のように思っていたが、意外とこれまで挫折というか紆余曲折をしてきたのだなあと思った。「iPS」という名前を付けるときに「i-Pod」みたいでかっこいいから・・・などと考えていたとは思わなかった。ビックリした。最初の方を読むだけで、これまで漠然としていた「iPS細胞」というものについて、また「ES細胞」との違いなどもよくわかった。
「目標は高く、行動は着実に」
なるほどなあ。「言うは易し、行なうは難し」だなあ。
大変刺激的な勉強になる対談本でした!
余談だが、帯の二人の写真が、シンボウ兄弟の写真の表紙とよく似てるんだなあ、これが。出版社は違うのに。
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(2011、2、1読了)
2011年2月 9日 19:42
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新・読書日記
2011_018
『日本経済の不都合な真実~生き残り7つの提言』(辛坊治郎×辛坊正記、幻冬舎:2011、1、25)
「はじめに」を読むと、前作で「シンボウさんの本だからわかりやすくて易しいと思ったら難しかった」という感想が寄せられたことにショックを受けた著者は、「より、かみくだいてわかりやすく」を心掛けたそうだ。その甲斐あってか、確かに前作よりは引っかかるところが少なく読み進められた。途中でメモしたのはずいぶん少なかった。
*なぜ「i」が金利?「x」ではないの?「シンボウ兄弟」って表記は「千原兄弟」みたい。(18ページ)
*一年で物価が一割下がったら実質金利があがって1万1000円の利息が付いたと見ることができる、と。しかし預けなかったお金もすべておしなべて相対的に1割アップしたなら、1万1000円とみるのはナンセンスでは?(23ページ)
*GDPが1%上昇し国債金利も1%上昇したら利払いが5兆円に膨らむというが、では二重の赤字だったアメリカはどうだったのか?他国は?(29ページ)
*長期的に見れば金利を上回る経済成長を実現する社会が望ましいというが、経済成長があると金利が膨らむのでは?どうやってそこから抜け出すの?(31ページ)
こんなところ。あとはすらすら読めた。
サブタイトルの「生き残り7つの提言」はどこに出てくるのかと思ったら、最終「第4章」にまとめてあった。その意味では、著者が言いたいことは、この「第4章」を読めばいいことになる。それを理解するためには1~3章を読んでくださいね、と。でもシンボウさんも「提言」しておきながら「本当にこれでよいのか?」と悩んでいるような姿が感じられました。
なお、今回は、駅前の書店で見つけて買いました。
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(2011、1、30読了)
2011年2月 8日 19:04
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新・読書日記
2011_017
『鉄学概論~車窓から眺める日本近現代史』(原武史、新潮文庫:2011、1、1)
NHK教育テレビの「知るを楽しむ」のテキストとして書かれたものに加筆して文庫化した本。「知るを楽しむ」のテキストはなかなかよく出来ていて(全部かどうかは知りませんが)、以前、円満字二郎さんの漢字についての回のテキストは、新聞用語懇談会の放送分科会の中でも話題になりました。そういう意味ではよくできている本です。
原さんは単なる「鉄道おたく」ではなく、人間の生活・文化・活動の歴史を知る手段として鉄道というものを取り上げているんだなということがよくわかりました。その意味ではサブ・タイトルの「車窓から眺める日本近現代史」というのは「ズバリ!」です。
第1章の「鉄道紀行文学の巨人たち」から、もう引き込まれてしまいました。
読むべし!
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(2011、1、31読了)
2011年2月 8日 12:03
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新・読書日記
2011_016
『モルフェウスの領域』(海堂尊、角川書店:2010、12、15)
「モルフェウス」というのは「眠りをつかさどる神」なんだそうだ。
これは近未来SF。「コールドスリープ」、人間を冬眠させる機械(宇宙船でワープする時に眠る、ああいった種類のもの)が出来たものの、いろいろな問題が起きる。そこで5年間眠る少年と、その眠りを守る女性。少年が目覚めた時、女性は・・・。
80ページを過ぎたあたりから、いつもの"海堂ワールド"の住人・"愚痴外来"の田口先生たちが登場するが、今回は脇役。一体、"海堂ワールド"の登場人物は、どれだけの広がりを持つのだろうか?これはいわゆる「スピンオフ」的な一冊。内容は・・・ちょっと難しかった。
そういえば、映画『インセプション』も「眠り」「夢」の世界と現実の世界の話。『トータル・リコール』以来、『マトリックス』とかも同じような感じ。リアルワールドと、ヴァーチャルワールドという話になると、どうしても「夢」になるな。落語では「夢オチ」は「安易だ」と批判されると聞いたことがあるが・・・。
ま、「夢」というか、「脳」の活動で出来た「意識」があるからこの世が存在する、「我、思うゆえに、我あり」ということなんだろうか。
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(2011、1、24読了)
2011年2月 2日 12:10
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新・読書日記
2011_015
『信頼する力~ジャパン躍進の真実と課題』(遠藤保仁、角川Oneテーマ21:2011、1、10)
しっかりと主張した本でした。
代表100試合を超えるベテラン・遠藤選手。日本代表でつかえた監督の評がおもしろい。
トルシエ、嫌いだったのね。ジーコもあまり・・・コミュニケーションが取れなかったそうです。オシムさんはまずまず。岡ちゃん、気が合うみたい。そしてザッケローニ。トルシエとジーコは呼び捨てですから。
アジア杯で頑張っている日本代表、是非、優勝してほしい!
(☆4つ)
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(2011、1、21読了)
2011年2月 1日 18:09
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