新・ことば事情
4274「へば」
友達と別れるときのあいさつで、
「それじゃあ!」
という意味の言葉を関西では、
「ほな!」
と言います。「ほな、さいなら」の「ほな」です。「サ行」が「ハ行」に変わるんですね。
「それじゃあ」→「そんじゃ」→「ほんじゃ」→「ほじゃ」→「ほな」
これと同じ意味の言葉を、青森の津軽地方では、
「へば」
と言うと、聞いたことがあります。たぶん、弘前出身の虎谷アナウンサーに聞いたんだと思います。
これも関西弁と同じように、「サ行」から「ハ行」への変化なんでしょうね。
ただ、
「『そ→ほ』という『オ段→オ段』の変化」
ではなく、
「『そ→へ』という『オ段→エ段』への変化」
ということなのでしょう。そして「ほな」の「な」にあたるのが「ば」。濁っています。でも、もともと「それじゃ(あ)」の「じゃ」にあたる部分なので、濁っても不思議はないのかな。
へば!
結構、使い心地、いいかもしれません。
コメント
「ほな」「へば」 どちらも好きなことばです。
「へば」という言葉をはじめて知ったのは、某局の連続テレビ小説『雲のじゅうたん』です。1976年4月~10月放送。浅茅陽子さん演じるヒロインの愛称が「へばちゃん」でした。秋田出身という設定でした。後に『へばちゃんの台所』という料理本も出しています。
投稿者: 西尾@川崎 日時:2011年01月30日(日) at 02:55