新・ことば事情
4273「嬰児」
2011年1月6日の読売テレビのお昼のニュースで、
「女の子の嬰児で」
という表現がありました。この中の
「嬰児」
という言葉、「えいじ」と読みますが、一般的には聞き慣れない言葉です。
「生まれて間もない赤ちゃん」
のことを指します。(辞書には「3歳ぐらいまでをさす」と書かれているものもありますが。)
ニュース原稿でこの「嬰児」が出てくるときは、まず間違いなく、
「トイレなどで出産後、そのまま遺棄された赤ちゃん(の遺体)」
です。そういう意味では、読売テレビ系列やNHKで、
「『ににんぐみ』と読む『二人組』は、必ず悪事を働いたヤツ」
というのと似ています。(「仲良し二人組み」は「ふたりぐみ」。)
いずれにせよ、この「嬰児」という言葉、放送原稿では、
「生まれたばかりの女の赤ちゃんで」
とした方がいいのでは?と放送後にアドバイスしました。
結局夕方のニュースでは、「嬰児」の代わりに、
「乳児」
という表現を使いましたが、こちらの方が数段、「耳で聞いて分かりやすい言葉」になったと思いました。