新・読書日記 2010_244
『オレンジの呪縛~オランダ代表はなぜ勝てないか?』(デイヴィッド・ウイナー著、忠鉢信一監修、西竹徹訳、講談社:2008、7、7)
いま気付いたけど、7月7日というのは1974年西ドイツワールドカップの決勝戦「西ドイツ対オランダ」戦が行われた日ではないか?それにあわせて発行したのかなあ?
表紙が派手なオレンジ、もちろんこれはオランダ代表のユニフォームの色。
サッカー好き(というか、オランダ好き・クライフ好き)の友人から勧められて、ネットで中古本を購入。定価は1900円なのに、なんと100円で手に入りました(送料が別途250円)。でも、きれいな本でしたよ。得をしました。
さて、本の内容ですが・・・・なぜ、サッカーのオランダ代表は、あれだけ素晴しいサッカーを披露しながら、世界大会クラスで優勝できないのか?ということに関して書かれたマニアックな本です。
実際、ヨーロッパの大会でもオランダ代表が勝ったのは、1988年の欧州選手権だけ。決勝までは、欧州選手権でもワールドカップでも何度も進出しているのに、勝てない。そう言えば、今年の南アフリカ・ワールドカップでも、決勝に進出しながら延長でスペインに負けてしまいました。1974年、"空飛ぶオランダ人"ヨハン・クライフを擁し「トータルフットボール」と呼ばれたオランダ代表は、決勝戦開始早々にPKで先制したものの、泥臭いプレーをする西ドイツに敗れ、1978年にはクライフを欠きながらまたもや決勝に進出するも、地元アルゼンチンの前に延長で敗れてします。この試合、高校生だったけど、夜中にNHKの生中継を観ましたよ、私は。試合中にもかかわらず、ピッチ(当時は「グランド」と言っていた)に紙テープやらなにやらがたくさん投げ込まれて「汚いなあ・・・」と思ったのを覚えています。
その後も「勝負に勝って、試合に負ける」ようなことを繰り返す「オランダ代表」のサッカーに潜む、オランダ人の気質は?というような、本当に細かく幅広い分析が、当時の選手や監督へのインタビューを軸に構成されています。好きな人にはたまらない一冊です。
監修の忠鉢さんは、帝京高校時代は有名なサッカー選手。高校サッカー中継を担当していた頃ですから20年以上前ですが。今は立派な朝日新聞記者。私より8歳ほど年下ですがサッカーをよく知っているだけに、監修としてはうってつけでしょう。