新・ことば事情
4234「デゴイチ」
「蒸気機関車D51」。通称・略称はご存じのように、
「デゴイチ」
です。でも・・・この略称だと「D」は、
「デー」
と呼ばれていることになりますね。もし「D」を「ディー」と呼んでいるのなら、
「ディゴイチ」
になっていたはずです。「デゴイチ」と呼ぶからには、「デー51」と言っていたのでしょう。時代的なものでしょうか?
「デー」と「ディー」が混在した外来語には、私たちテレビ局員が毎日接している現場の人間で、役職(?)名の略称が「D」である、
「ディレクター」
があります。これも中には、
「デレクター」
と言う人が時々います。この「デレクター」系の人は「デゴイチ」。「ディレクター」系の人は「ディゴイチ」。でも、「ディゴイチ」とは言わないな。
逆のケースは「デジタル」でしょう。これは、本来は、
「ディジタル」
のはず。でももう「デジタル」で定着してしまった。いまさら「ディジタル」に変えるのは難しい。「地上デジタル」の略称「地デジ」を、
「地ディジ」
にしたら、舌を噛む人が続出して、みんな、
「やっぱり、アナログの方がいい・・・」
と言い出すかもしれませんし・・・。
結局こういった表記は、「慣用」が占める割合が大きく、なかなか規則で統一することは難しいのだなあと改めて思いました。
(追記)
川崎市の西尾さんから書き込みのご意見を頂きました。ありがとうございます。
『電気・電子・情報通信業界でも、「D」を「デー」と言います。
「ディー」は「ビー」と紛らわしいという理由です。「T」も「ティー」ではなく「テー」です。業界用語というか「業界読み」です。
昭和29年の「外来語の表記」では、
『外来音の「ティ」「ディ」はなるべく「チ」「ジ」と書く』
となっていますが「D-51」を「ジー51」というわけにはいきませんね。
平成3年版の「外来語の表記」では、
『「ティ」「ディ」は、外来音ティ、ディに対応する仮名である』
という、分かったような分からないような文言です。』
仰るとおり、わかりにくいです・・・。
コメント
旧くずはモールの汽車の広場にはD-51があった。
D-51がやってきたのは1972年の事だったと思う。
今から38年も前のことなのに、その時の事は鮮明に覚えている。
あのD-51は今どうなっているのだろう。
投稿者: yoshi-q 日時:2010年12月16日(木) at 21:06
電気・電子・情報通信業界でも、「D」を「デー」と言います。「ディー」は「ビー」と紛らわしいという理由です。「T」も「ティー」ではなく「テー」です。業界用語というか、業界読みです。
昭和29年の「外来語の表記」では、『外来音の「ティ」「ディ」はなるべく「チ」「ジ」と書く』となっていますが、「D-51」を「ジー51」というわけには行きませんね。
平成3年版の「外来語の表記」では、『「ティ」「ディ」は、外来音ティ、ディに対応する仮名である』という、分かったような分からないような文言です。
投稿者: 西尾@川崎 日時:2011年01月10日(月) at 20:59