新・ことば事情
4225「ニン」
12月1日の「情報ライブミヤネ屋」で、演芸評論家の河内厚郎さんが、インタビューに答えて、
「海老蔵さんのニンにぴったり」
と言っていました。これに字幕スーパーを付けるときには、
「海老蔵さんの人柄にぴったり」
としたのですが、担当ディレクターから質問が。
「これでいいのでしょうか?」
「うーん、『ニン』というのは"関西弁"でかつ"業界用語"のような感じだから、字幕は標準語で『人柄』でいいんじゃにの?」
と言いつつ、牧村史陽編『大阪ことば辞典』を久々にひもとくと、はたして、
「ニン(人)」=もって生まれた人柄。(例)ニンにないことしたらあかん。
と載っていました。たしかに「ニン」を、標準語(共通語)の中で聞くことは、あまりありませんね。
(追記)
『浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく~フィギュアスケートの裏側』(生島淳、朝日新書:2011、12、30)という本を読んでいたら、170ページに、
「ニンは歌舞伎用語だ」
と書かれていました!そうだったのか!