新・ことば事情
4213「オモグルシイ」
11月10日、日本テレビのニュース『every.』を見ていたら、丸岡いずみキャスターが、「重苦しい雰囲気」
のことを、
「オモグルシイ雰囲気」
と言っていました。これは、普通は濁らずに、
「オモクルシイ雰囲気」
ですよね。でも濁る事もあるのかも。NHK放送文化研究所の塩田雄大さんが、以前(平成13年=2001年)に書かれた「カタグルシイかカタクルシイか」という論文の中に、「オモグルシイ」も出てきましたっけね?塩田さんに頼んで送ってもらったところ、ちょっとだけ出ていましたが、それは、濁らない例として(つまり「オモクルシイ」)載っていました。
「カタクルシイ」「カタグルシイ」
の全国調査(1434人回答)によると、「カタクルシイ」と「濁らない清音」の「全国平均」は「49%」ですが、丸岡さんの出身地「徳島県」は「57%」と「濁らない」人が多いようなのです。これは意外でした。
しかし、彼女の最初の赴任地「北海道」は「29%」と、全国平均よりかなり「濁らない人が少ない」=「濁る人が多い」というデータが出ていました。丸岡さんは、北海道の言葉のクセが、結構しみついているのかもしれませんね。
ちなみに関東は「64%」の人が「濁らない」。一方関西は「44%」ですから、全国平均よりは「濁る」人がちょっと多いという結果でした。
なお、地域別で一番「濁らない人が少ない」=「濁る」のは「北陸」地方の「28%」でした。
いろんな調査があるのですね。