新・ことば事情
4207「マネー・ロンダリング」
11月3日、大阪市の職員が、川で拾ったカバンやサイフからお金を抜き取っていたというニュースが報じられました。「ネコババ」ですよね、これ。その際に、お金をきれいに洗っていたと・・・。これこそ本来の意味での「マネー・ロンダリング」ではないかと・・・。
「マネー・ロンダリング」の日本語訳は、
「資金洗浄」
ここでは「マネー」を「資金」と訳していますが、
「ロンダリング」=「洗浄」
です。
ところで、以前、用語懇談会で、テレビ東京の委員の方から、こんなことを言われました。
「マネー・ロンダリングの『ロンダリング』と、コインランドリーの『ランドリー』って、語源というか、元の英語は同じですよね。でも『ロンダリー』と『ランドリー』とカタカナで別に書かれると、全くイメージが違いますよね。」
え!?そうだったの?ロンダリングはランドリーなの?
調べてみたらそのとおり、
「coin laundry」(和製英語)
「money laundering」
同じでした。
うーん、耳で聞くか目で見るとかの違いもあるんでしょうけど、耳で聞くと、
「ロンダリー」「ロンダリング」
に近いと思われます(発音記号から)。でもスペルを見ると「ランドリー」になっちゃったんだろうな、そもそも「コインランドリー」は和製英語だし。
この「ランドリー」を元の「ロンダリー」に換えたら、
「コイン・ロンダリー」
お、「マネー」と「コイン」、同じですね、ちょっと「小銭」っぽくて、規模が小さくなった気がしますが。
大阪市の不祥事のニュースを見ながらそんなことを考えていました。