新・ことば事情
4206「曝凉」
一つ前の「平成ことば事情4205 匹」で書いたように、正倉院展、見に行ってきました。「匹」のほかに収穫だった言葉(初めて目にした言葉)に、
「曝凉(ばくりょう)」
というのがありました。これは、
「虫干し」
のことだそうです。「曝」は「被曝」の「曝」ですね。爆弾の場合の「被爆」の「爆」ではなく、放射能などに「被曝」したときの「曝」です。「浴びる」という意味でしょうね。太陽の光を浴びる=虫干し、と。
一応辞書を引くと、(『精選版日本国語大辞典』)
「曝涼」=夏または秋の天気のよい乾燥した日を選んで、庫などに納められていた衣類や書物・諸道具などを日光に当てたり、風を通したりして、かびや虫の発生を防ぐこと。虫干し。
とありました。「にすい」ではなく「さんずい」の「涼」でしたが。
正倉院展で、初めて知った言葉でした。勉強になりました。