新・ことば事情
4204「アップロード」
尖閣映像が流出した事件で、海上保安官が渦中の映像を漫画喫茶から「アップロードした」と言っていることに関して、この、
「アップロード」
という言葉に注目が集まりました。
というのは、
「パソコンに詳しくない人にもイメージを持ってもらうためには、『アップロード』という言い方では分かりにくいのではないか?」
ということです。最初は「アップロード」としていたものを、
「アップロード(投稿)」
もしくはそのまま、
「投稿」
という表現に変えました。新聞も「アップロード」は使わず「投稿」としているようです。
もちろん、パソコンをする多数の人にとっては、「アップロード」で構わないのでしょうが、やはり「しない人も多数いる」現状から考えると、少しでも分かりやすい表現を模索する必要があるなと思いました。
先日開かれた関西地区新聞用語懇談会の席では、「わかりにくいカタカナ語」をテーマに、読者や視聴者から「意味がわからない」という意見が寄せられた「カタカナ語」について、その言い換えを決めているかどうかということに関して話し合われましたが、完璧なマニュアルはなくても、常に分かりやすい言い換えを心がけているという点では、各社一致していました。これからも、そういう気持ちで、言葉に接していこうと思います。