新・ことば事情
4197「『八千代に』の『ヤ』」
先日読んでいた本に(タイトル、忘れた!)「君が代」の中の、
「千代に八千代に(チヨニ ヤチヨ)」
の「八千代」の「ヤ」の音は取りにくく、歌うのは難しいと書かれていました。音階で言うと、
「ミソラソ→レ」
となる「レ」の音。
「ソ→ド」の「4度」は比較的取りやすいのですが、1つ上がって「ソ→レ」の「5度」は取りにくい感じがします。
確かにサッカーの国際試合前の「国歌独唱」で、いろんな歌い手さんが「君が代」をアカペラで歌いますが、この「レ」の音、きっちり上がりきっていないことが多いな、と私も感じていたところでした。「きっちり上がりきらない」事を、
「(音が)ぶら下がっている」
というのですが、その「ぶらさがり感」があるのです。特に男性の歌手に多いです。
ところが、先日のサッカー親善試合「日本対アルゼンチン戦」で「君が代」を歌った、
「平原綾香さん」
は、きっちりとこの音を出していました。ぶらさがることなく。「さすがだなあ」と思いました。あの音をスッと出すには、声の(おなかの)ポジションを変ええないといけないのですが、なかなかそれを意識している人が少なく、ずり上げるようにして声を振り絞って歌うケースが多いのですが、平原さんは違いました。
以上です。