新・読書日記 2010_218
『こちら救命センター~病棟こぼれ話』(浜辺祐一、集英社文庫:1992、8、25第1刷・2010、6、6第37刷)
会話文が多く、テンポが良い。著者は兵庫県出身らしい。でも文体には関西弁はほとんど出てこず、逆に江戸っ子みたいな感じの口調が。あえて、それを使っているのだろう。
病院落語だと思って読むと、軽口も気にならないし、勉強になり考えさせられる。
初版が1992年だから時代を感じるが、医者の本質は変わっていないだろう。初版から18年で37刷、文句なしのロングセラーだ。しかしこの本、私は知らなかった。集英社文庫の夏のキャンペーン、「2010夏イチ」という帯につられて買いました。
「相手を許せる余裕を忘れたくないそれを見守れる距離を保ちたい。看護というのは、人を押さえつけることではないし、相手を自分の思い通りにかえてしまうことでもない。にもかかわらず、われわれはついつい人を変えようとする、相手を自分の思うとおりに変えしまおうとする。しかし、残念ながら、人は変えられない。」
という文章が印象に残った。
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