新・読書日記 2010_202
『タバコ狩り』(室井尚、平凡社新書:2009、6、15)
著者は、この本を読み出せばすぐ分かるように「喫煙者」。途中でそれを「自白」しているが、最初に立場を記しておくべきだ。あ、私は「非喫煙者」です。
「喫煙者」の立場から「受動喫煙の害はない」と言われても、煙は明らかに煙い。そもそも、当事者たる喫煙者が何を言っても信用されない。当事者の喫煙に関する報告は信頼できないのではないか?
ただ・・・なぜタバコを吸わない私が、タバコに関する本を結構、読むかと言うと、昨今の「タバコ迫害」は、明らかに度を超していると思うからだ。「禁煙ファシズム」などとも言われるが、確かにそういった傾向が強い。そこまで追い詰めなくても・・・という思いは、「弱い立場の者を容赦なく追い詰める昨今の風潮」に"異議"を唱えるためである。
とは言うものに、歩きタバコの風下に立ったときには「このやろう!」と思う。ポイ捨てをするのは喫煙者だけだ。「なんでこんなところに捨てるねん!」と腹立たしい。でも・・・。うーん、やはり非喫煙者でタバコを擁護する人でもないと、信用はされないのだろうなあ・・・。そこまで私がタバコを擁護するかと言うと・・・・ねえ・・・。
でも、タバコ迫害者たちが根拠とするデータが、実はあまり信用がおけないものである、というこの本の主張には、納得できる部分がある。好き嫌い、憎む憎まないとは違う地点から、客観的にデータを扱うことが必要なのだが・・・。
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