新・読書日記 2010_196
『歌う国民~唱歌、校歌、うたごえ』(渡部裕、中公新書:2010,9、25)
面白い本だ!「唱歌」に興味があって、サブタイトルにつられて読んだのだが、なかなか詳細に亘った論文である。「唱歌」が「近代国家」建設のための手段として使われたこと、初期の「唱歌」は正にその目的のために作られたのだと。ですからそれに反発して生まれてきたのが「童謡」の運動であった。が、いつの間にか内容が似てしまって、「童謡・唱歌」と「同じくくり」にされてしまったということで。言われてみて「あ、そうだった」と思いだした次第。「第四章・卒業式の歌をめぐる攻防」「第五章・校歌をめぐるコンテクストの変容」「第七章・『労働者の歌』の戦前と戦後」も大変、興味深かかった。
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