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『道浦TIME』

新・ことば事情

4170、00「0、00%」

この夏、よく目にしたのが、

「0、00%」

そうです、「ノンアルコール・ビール」の表示です。今年、これが売れたようですね。これで気になるのは、「味」と「値段」もさることながら、

「なぜ0%ではなく0、00%と小数点以下2ケタまで0を付けるのか?」

ということです。考えられることは、

「小数点以下2ケタの方がより『0(ゼロ)』であることを"強調"できるから」

ではないでしょうか?よく似たものに、「銀の純度」を表す、

「99、99」

というのがあります。たしか、

「フォーナインズ」

と呼ばれるものです。こちらは厳密に「精度」を表しますが、「0%」と「0,00%」は「イコール」なのではないでしょうか?違うのかな?

「1000人」を、「センニン」と言うよりも、「イッセンニン」といった方が「大きく」「人数が多く」聞こえるのと同じ手法ではないでしょうかね。

 

(追記)

「おかもと」さんからご意見いただきました。

「ノンアルコール飲料のアルコール度数は法律上、1%未満であれば0%と表示してよかったのではないでしょうか(アルコールが0.9%含まれていても0%の表示になる)。ですので、記載上、0%と、0.00%には大きなちがいがあるだと思います。ちがってたらスミマセン。」

とのこと。

「酒税法」に関してはそうだったと思います。ちがってたらスミマセン。そのあたり、たしか「平成ことば事情1292ビールテイスト飲料」に書いたような。見てみましょう。2003年7月」に書いてますね。

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道路交通法の飲酒運転・酒気帯び運転に対する罰則が強化された去年(2002年)から、ビールの代わりに消費を伸ばしたのが「ノンアルコールビール」。しかし「ノンアルコール」と言いながら、実はアルコール分は「0(ゼロ)」ではなく0,5%ほど含まれていることが多いのはご存知の方も多いと思います。それを知らずに飲んで車を運転した、お酒に弱い人たちなどからの意見などを汲み上げて、最近は「ノンアルコールビール」という名称をやめようという動きもあります。これに変わって出てきた名称が、この
「ビールテイスト飲料」
なのです。(中略)ネットで見てみると、「ノンアルコール」表示の変更要請を「公正取引委員会」が行ったのは、7月14日。ビール酒造組合や日本ワイナリー協会など11の業界団体に対し、「ノンアルコール・ビール」などと表示されている飲料について、

「アルコール分が全く含まれていないと誤認する恐れがある」

として、表示の改善をメーカーなどに指導するよう要請したと発表したそうです。これによって今後「ノンアルコール」の表示は市場から消え、「ビールテイスト飲料」などに書き換えられる見通しだそうです。記事のよると、 酒税法上は、アルコール分が1%以上の飲料を酒類と認定していますが、「ノンアルコール」の名称を使った飲料も、実際は0・5%程度のアルコール分を含んだものが多く、公取委は、「ノンアルコール」の表示は、アルコールが全く含まれないのに、お酒の風味や味わいが得られるお酒の代替飲料であるとの誤解を消費者に与えるとし、業界団体に対して表示の適正化を指導するよう求めたとのことです。

 

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なるほど、単なる「0%」ではない理由は「酒税法」にもあったようです。

ではなぜ、

「0,  0%」

とせずに小数点以下2ケタにしているのか?

謎が消えたわけではありません。

                  (2010,10、15)

 

 

(追記2)

川崎市の西尾さんからも、書き込みを頂きました。

『0%は、小数点以下1桁目の誤差を含みます。小数点以下を四捨五入しているなら、0.5%未満であることを意味します。

0.0%は、小数点以下2桁目の誤差を含みます。小数点以下2桁目を四捨五入しているなら、0.05%未満であることを意味します。

0.00%は、小数点以下3桁目の誤差を含みます。小数点以下3桁目を四捨五入しているなら、0.005%未満であることを意味します。

・・・というように、小数点以下2桁まで表示しているのは、それだけ誤差の少ない正確な数値ですよ、ということです。たんなる強調ではなく、数値的に根拠を明示しているわけです。』

 

そりゃそうですね。たしか中学の時(?小学校?)に習いましたね。そのことを、まず書くべきでした。すみません。

さらに関連で・・・

『別の方が「小数点ではなく読点に」と書いていますが、『平成ことば事情』の頃から、小数点がカンマになっているのが私も気になっています。小数点にカンマ(コンマ)を使うのはフランス式ですが、日本は英国式のピリオドを使うことになっています。

2003年の第22回国際度量衡総会で、小数点の統一が議論されましたが、結論として決議10で以下のように宣言されています。

「小数点の記号は、ピリオドまたはコンマのどちらかでなければならない」

要するに現状を追認しただけ。

ただし日本ではカンマが標準なので、それにあわせたほうがよいのではないかと思います。

差し出口になってしまいました。すみません。』

 

ありがたいアドバイス、感謝いたします。

参考にさせていただきます。

 

 

 

(2010、10、10)

2010年10月14日 23:28 | コメント (3)

コメント

いつも拝見しております。
ノンアルコール飲料のアルコール度数は法律上、1%未満であれば0%と表示してよかったのではないでしょうか(アルコールが0.9%含まれていても0%の表示になる)。ですので、記載上、0%と、0.00%には大きなちがいがあるだと思います。ちがってたらスミマセン。

投稿者: おかもと 日時:2010年10月15日(金) at 08:42

小数点ではなく読点になってますが……。
商売柄気になるもので。
カンマだったら問題なかったのですが(笑)。
http://homepage1.nifty.com/tabotabo/ccc/syosu.htm

投稿者: かくた 日時:2010年10月15日(金) at 23:26

0%は、小数点以下1桁目の誤差を含みます。小数点以下を四捨五入しているなら、0.5%未満であることを意味します。・・・・0.00%は、小数点以下3桁目の誤差を含みます。小数点以下3桁目を四捨五入しているなら、0.005%未満であることを意味します。
…というように、小数点以下2桁まで表示しているのは、それだけ誤差の少ない正確な数値ですよ、ということです。たんなる強調ではなく、数値的に根拠を明示しているわけです。

投稿者: 西尾@川崎 日時:2011年01月10日(月) at 19:27