新・読書日記 2010_201
『日本語は敬語があって主語がない~「地上の視点」の日本文化論』(金谷武洋、光文社新書:2010、9、20)
著者はカナダに住んでいて、『日本語に主語はない』等の著作がある。その意味では「主語がない」シリーズ?なのか?
第一章の「英語で視点が移動する『雪国』」は「なるほど」と思った。翻訳とはそういうものかも知れない。第二章の「『あげる』と『くれる』は敬語だった」も"少し"「なるほど」と納得。しかし最後の第五章「俳句と相撲と庭園と」になると、「文化論」になってしまい、これはちょっと「そうかなあ・・・」という、著者の思い込みの強い部分が出ていた。面白いけど、万人が「そうだったのか!」とは思えないだろう。なお、一番最後に書いている「宇多田ヒカルと英語のパワー」は「宇多田」ファンとしては、真っ先に読んで、「たしかに」とは思ったけど「それで?」という感じでもあった。
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