Top

『道浦TIME』

新・読書日記 2010_198

『茨木のり子集 言の葉2』(茨木のり子、ちくま文庫:2010、9、10)

詩もさることながら、エッセイでの評伝が興味深い。この第2巻では、金子光晴、谷川俊太郎、吉井勇など。また、山形出身の母の東北弁についてのエッセイや、ハングルについての思いも興味深い。横光利一が庄内地方に疎開していたときに、村の娘たちの言葉がまるでフランス語を聞いているようだと感嘆して『夜の靴』という随筆集に書いていたそうな。「私の祖国と呼べるものは日本語だと思い知りました」という言葉は、石垣りん『ユーモアの鎖国』からだと知りました。また、「いちど視たもの」では過激な「天皇制批判」。「奴隷根性」という表現で、返す刀で「民衆批判」。うーん、斬りに来ているな。

このシリーズ「3」も出ているようなので、読んでみようと思います。


star4

(2010、10、17読了)

2010年10月23日 12:30 | コメント (0)