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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_181

『山の遭難~あなたの山登りは大丈夫か』(羽根田治、平凡社新書:2010、1、15)

 

今年の夏は、山での遭難事故が相次いだ。「冬山」の遭難は分かるが、「夏山」でなぜ?とシロウトなので思ってしまう部分があるが、本書を読めばその謎が解ける。基本的には「山」の恐さを分からずに(甘く見て)軽い気持ちで、軽装で準備もせずに山に登ることが原因。昨今の「百名山ブーム」、団塊世代が定年で、中高年になってから「また山にでも登るか」というケースが増えているのも背景にあるという。また、山では「転倒」が大事故につながるという。昨今、安易にヘリコプターの救助要請をするのも、二重三重の事故を招いたりする原因となるそうだ。しかも「民間のヘリだとお金がかかるから、警察か消防のヘリを」と「リクエスト」するずうずうしい人まで・・・。自己チュー、ここにきわまれり。携帯電話の普及で、「遭難したときには、電話すればいいや」と軽い気持ちになっている部分もあるという。ところがそういった時に限って「電池切れ」になったりすることも多いそうだ。山に登ることがあまりない素人の私だが、実は下界の生活態度が、山での遭難を引き起こしている面もあるのだということが、よくわかった。


star4

(2010、8、29読了)

2010年10月 4日 22:29 | コメント (0)