新・ことば事情
4162「イチオシの漢字表記」
9月22日の「ミヤネ屋」の放送の準備中(結局、放送はされなかったのですが)、AKB48のじゃんけん大会の話題があり、その字幕スーパーに、
「イチオシ」
という表現が出てきました。「一番オススメ(応援)する」という意味ですね。これを漢字で書いた時に、これまでは、
「一押し」
だと、なんの疑念もなく思っていました。しかしこのときのスーパーは、
「イチ推し」
だったのです。あ、確かにこの場合の「おし」は「推薦する」という意味の「オシ」だから「押す」ではなく「推す」だな。だとすれば「イチ推し」あるいは「一推し」が正しいのだと、初めて気付いたんです。
ネットで検索してみると、(Google検索・9月26日)
「イチオシ」=4150万件
ええ、4150万件!すごいあなあ、「イチオシ」!
「一推し」 = 8万9400件
「イチ推し」= 3万6800件
「イチ押し」=102万0000件
「一押し」 =976万0000件
でした。うーん、ネット上では圧倒的に、
「推し < 押し」
ですねえ。「押す」方が「プッシュする」なんて言ったりしてイメージが強いからでしょうか?『広辞苑』を引くと(最近はこんな言葉も載せてるんだ)
「一押し・一推し」
の順で、両方「見出し」に掲げていました。『明鏡国語辞典』は、
「一押し」
のみ。『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』には載っていません。『三省堂国語辞典』は、
「一推し・一押し」(「イチ押し」とも書く)
の順で「イチ押し」も載せるなど、丁寧でした。どうやら何種類もの表記法があって、確定していないような感じですね。