新・ことば事情
4155「多種多彩」
9月14日の民主党代表選での、菅さんの演説の内容で、
「民主党には"タシュタサイな"議員がいる」
というのがあったのですが、
「タシュタサイ」
という四字熟語は『広辞苑』には載っていません。パソコン(ワープロ)を変換すると、
「多種多彩」
と出てきますが。似たような四字熟語には、
「タシュタヨウ(多種多様)」「タシセイセイ(多士済々)」
というのはあります。これが「混用」されたのではないか?
菅さんはそう言ったので、「四字熟語」としてではなく、
「多種・多才」
という2語に分けて書くということにしたと、Kデスクから報告がありました。読売新聞OBのOさんにも確認をしてということでした。それで「結果OK」だと思いますが、念のため『広辞苑』よりも詳しい『精選版日本国語大辞典』で「タシュタヨウ」を引くと、なんと、
「多種多彩」
載っていました。意味は、
「物事の種類が多く、変化に富んでいること。美しいものが数多くあること。また、そのさま。多種多様」
とあり、用例としては、堀田善衛の『記念碑』(1955)という作品から、
「戦争は<略>ますます多種多彩なタブーをつくり」
というものが挙げられていました。
とすると「多種多彩」で出しても「間違いではない」ということでしたね。どっちもOK。漢字表記も「多種多彩」ということで・・・。